どうもでょおです。
Netflixオリジナルドラマ『ブラック・ミラー シーズン5』の配信が始まりましたね。待望の新シーズンです。
『ブラック・ミラー』は完全に1話完結型のドラマで『世にも奇妙な物語』や『トワイライト・ゾーン』のようなドラマです。近未来やテクノロジーを絡めつつ、皮肉をたっぷり利かせたブラックユーモア作品です。
このブログではすでに第一話「ストライキング・ヴァイパーズ」の感想を書いております。『ブラック・ミラー シーズン5』は全部で3話なので順を追ってすべてのエピソードの感想を書きますね。なので今回は第2話「待つ男」の感想評価になります。
いつも通りネタバレありの内容になりますので未視聴の方は十分注意してご覧ください。
『ブラック・ミラー シーズン5』第2話「待つ男」のあらすじ
ロンドンの配車サービスの運転手は、SNSの会社で働く男を誘拐。人質を盾に取った運転手がある要求をしたことで、事件は海外にまで飛び火してゆく。
ネタバレ防止のためにかなり伏せ気味のあらすじですね。
簡潔に言うとタクシー運転手クリスがSNS会社「スミザリン」で働く若者を誘拐して、スミザリンのCEOビリー・バウアーを電話に出せと要求。
この男はなぜここまでしてビリー・バウアーと話したいのか、ここが焦点になっています。
日本語の邦題タイトルは「待つ男」になっていますが原題だと「スミザリン」。このアプリの名前がタイトルになってます。「待つ男」は邦題のくせに割と悪くない。
『ブラック・ミラー シーズン5』第2話「待つ男」のキャスト
クリストファー・"クリス"・ギルヘイニー(アンドリュー・スコット)
タクシー運転手。Uberっぽい(というかモロUber)配車サービスアプリ「ヒッチャー」で乗客を拾います。スミザリン社の前でのみ客を拾いスミザリンの幹部を誘拐、幹部を脅してビリー・バウアーに電話を取り次がせようと計画します。
グループカウンセリングに通ったりしているところから、過去に大きな問題があったことが伺えます。
クリスを演じるのは『007 スペクター』でシリーズに参加したC役の俳優ですね。神経質そうな雰囲気がピッタリです。
ビリー・バウアー(トファー・グレイス)
スミザリンのCEO。2008年からと言ってたので10年間スミザリンの顔として働いていました。スミザリンはほぼTwitterのようなSNS。今現実に存在するSNSをさらに強化して依存性が出るぐらい熱中してしまうみたい。
ビリー・バウアーは序盤には全く登場しないため、なぜスミザリンの社員たちはビリー・バウアーをここまで電話に出さないのかと思ってしまいますよね。
ビリー・バウアーを演じるのはトファー・グレイス。『スパイダーマン3』でヴェノムを演じた人。トム・ハーディーじゃないほうね。その他最近では『ブラック・クランズマン』やNetflix映画『ウォー・マシーン: 戦争は話術だ!』にも出演しています。
ジェイデン(ダムソン・イドリス)
クリスに誘拐されるスミザリン社で働く若者。スーツを着ていたのでクリスからスミザリンの重役だと思われたようですが、一番下っ端新人のインターン生だったのでスーツを着ていただけでした。偉い人を誘拐したいんならググって顔ぐらい確認するよね。
ビリー以外に唯一クリスの告白を聞くことになる人です。
ジェイデン役にはドラマ『スノーフォール』で主演を務めるダムソン・イドリスがキャスティング。
『ブラック・ミラー シーズン5』第2話「待つ男」の感想
まず見はじめた時はなんやコレって思いました。
『ブラック・ミラー』なのに舞台は2018年。特段、目を見張るようなハイテクなものは出てきませんし、序盤はほとんど誘拐犯の立てこもり事件がメインのクライムもののようなテイストでした。
『ブラック・ミラー』っぽくない設定なんですよね。
現代が舞台ですし、登場するアプリもほとんどTwitter、Uber、Facebookと同等なので実質かなり現実に近いです。これまでの『ブラック・ミラー』がすべて近未来の話だった訳ではありませんがやっぱり珍しい。雰囲気もクライムものっぽいし。
でも見ていくうちに、コレおもろいわって意識が変わりました。
スミザリンに熱中するあまり、よそ見運転をしてしまったのは現代でも問題になったポケモンGOの自動車事故そのものですよね。『ブラック・ミラー』って基本は近未来が舞台だから「いつかはこういうこともあるかも」と思うことが多いのですが、これは現代が舞台なので「こういうこと実際にあるやん」となります。
正直に言って怖いです。
でももっと面白いのはここから。
ビリー・バウアーはすべてを告白したクリスに自分の権限で願いを一つだけ叶えると言ったのですが、そこでクリスが頼んだのはグループカウンセリングで出会い一度だけ(多分)関係を持った女性の娘の「パーソナ」のアカウントパスワード。
この女性は娘の死後、娘のことをもっとよく知りたくて、パーソナ(モロFacebook)にアクセスしようと毎日3回(以降はロックがかかるので24時間後まで入力できない)パスワードを入力してハックしようとしています。
彼女のためにクリスはパーソナのパスワードが欲しいとビリーに言いました。
そしてすべてを聞いていた乗客のジェイデンはクリスが自殺するのを止めようとします。それを見ていた警官やスナイパーたちはもみ合いだと勘違い。銃声が響いてエンディングとなりました。
ここが一番の皮肉ですよね。ジェイデンはクリスの自殺を阻止して助けるために銃を奪おうとしたのに、それが原因でクリスは射殺されることになってしまいます。
この作品「スミザリン」は誘拐や事故などハードな内容ではありますが、本当に愛の溢れる内容になってます。クリスの願いを聞き入れるビリーや、グループカウンセリングで出会った女性のためにパスワードを手に入れるクリス、クリスの痛みを知ってクリスを助けようとするジェイデン。
「待つ男」は『ブラック・ミラー』シリーズの中でも結構上位に位置づけできる良作でした。
最後に『Can't Take My Eyes Off You』(邦題:君の瞳に恋してる)が流れて迎えるエンディングはほっこりしつつも皮肉たっぷりです。Can't Take My Eyes Off You=「君から目が離せない」の意味ですから、クリスがスミザリンから「目が離せなかった」ことがことの発端になったことを表現してるんですね。
最後に
いかがだったでしょうか。「待つ男」いい話でしたが皆さんはどんな感想を持たれましたか。『ブラック・ミラー シーズン5』はあと1本しかないのがとても残念ですが次回も感想を書くのでお楽しみに。
次はマイリー・サイラスですね。
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