ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー2ことガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスをみてまいりました。
80年代に対して強いリスペクトを捧げた本作に意外な車が登場していましたので今回はあえて作品に触れずにその車について紹介したいと思います。一応ネタバレあります。
マスタング2
マスタングといえば車に詳しくない人間でもよく知っているアメ車の代表格です。
往年の名作「ブリット」をはじめ、「バニシングin60」や「ワイルドスピードシリーズ」や「宇宙戦争」など登場した映画作品は数知れません。
でもマスタング2というと日本の一般層のほとんどは「マスタング2って何?」「2ってどういうこと?」となりますね。
出典:マスタング ヒストリー
マスタング2(マスタングⅡ)は1974年~1978年までに販売された第二世代のマスタングです。
マスタング2について
タイトルで【名車】と謳っていますがマスタング2は世間一般の評価は決して名車ではありません。
マスタング2はマスタングの歴史において最悪の汚点、いわゆる黒歴史です。
初代マスタングについて
マスタングの登場は1964年のことでした。マスタングはもともと軽快な躍動感を持たせたスペシャリティカー(スポーツカーっぽいスポーツカーじゃない車のこと)として登場しました。
しかし若者を中心に人気が出たことや各社のV8パワー合戦という時代の影響を受け、その後10年(マスタング2の登場まで)どんどんサイズアップし、パワーアップし、最終的に現在も愛されるマッスルカーの一つとなりました。
原点回帰という黒歴史
フォードの経営者はあまりに肥大化しすぎたビッグマスタングを原点回帰しようとします。
そうして誕生したマスタングがマスタング2です。
ボディサイズは原点回帰どころか販売当初よりも小さくなりました。さらに当時の排ガス規制(マスキー法)の影響もあり登場したマスタング2は発売当初V8モデルがありませんでした。V8は今も昔もアメリカ人が大好きなパワーの象徴です。
そんなマスタング2はマスタングの歴史において汚点とされています。
マスタング2/キングコブラ
1974年~1978年から販売されたマスタング2の最終年1978年にキングコブラは登場しました。当時、マスタングは上位モデルにコブラの名前を使用していたのでそのさらに上をイメージしたキングコブラを採用しました。
ライバル社のGMのポンティアックから販売されるトランザムファイヤーバードを意識したキングコブラのグラフィックがフードに描かれ大型化したスポイラーがついてTバールーフも採用していましたがホイールはたったの13インチでエンジンは通常のV8モデルと同様の5.0Lの139hpしかありませんでした。
そのためこのマスタング2キングコブラはフェイクマッスルとさえ呼ばれました。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーにおいてのキングコブラ
Walking The ‘Guardians Of The Galaxy’ Red Carpet « 101.9 AMP Radio
キングコブラは映画ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスの冒頭に登場します。舞台は1988年の回想シーン。
スターロード/ピーター・クイルの両親、エゴとメレディス・クイルが登場するシーンです。2人はご機嫌でTバールーフのマスタング2キングコブラを飛ばしています。
マスタング2キングコブラが生産されたのは1978年のたった1年ですからここで登場するマスタングの年式はおのずと1978年であるということがわかります。
舞台は88年でしたのでちょうど生産されてから10年たった車です。
どうしてマスタング2が使用されたのか
本当のことは私にはわかりません。ですがマスタング2は70年代の車であり88年の回想シーンに使用されているのには何かしらの理由があるのでしょう。それを自分なりに考えてみました。
一番の理由はデヴィッド・ハッセルホフ
出典:http://tv.foxjapan.com/classics/program/index/prgm_id/20110
何度も作中に登場していたデヴィッド・ハッセルホフ。若者の中には知らない人もいる可能性があるので念のために触れると80年代に放送された大人気ドラマ「ナイトライダー」の主人公を演じたのがデヴィッド・ハッセルホフ。
ナイトライダーは主人公マイケル・ナイトがしゃべるドリームカー「ナイト2000/KITT」に乗り事件を解決するアクション物。
このドリームカー「ナイト2000」に使用された車が前述のポンティアック「トランザム」なのです。
マスタング2キングコブラはこのトランザムを意識して作られた車です。
つまりデヴィッドハッセルホフのバッタモンにはナイト2000のバッタモンを!ということじゃないかと思います。
キングコブラの持つイメージ
マスタング2キングコブラはいうなれば「張りぼてカー」です。外観はかっこいいけど本国では不人気でパワーレスなため嫌われている車です。
皆から嫌われている10年も前の車をチョイスする時点でエゴはアメリカ人ではないことを表しているでしょう。
出典:http://jp.ign.com/guardians-of-the-galaxy-2-1/11867/news/
さらに格好だけの見た目重視の車はエゴ自身を代弁しているかのようです。
いかにも理想の父像として登場したエゴはピーターとどんどん親密になっていきます。
しかしエンジンフードを開けてみればそこには憧れた父の像はなく、ピーターの力を利用したいだけのエゴの塊でした。
もしかしたらそんなイメージを持たせるためにキングコブラが使われたのかもしれませんね。
マーベルコミック映画(MCU)最新作ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックスは現在公開中です。
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あとがき
散々、黒歴史やなんだかんだ言ってまいりましたが実は私、マスタング2が大好きなのです。
マスタングに乗ってることもありマスタング自体が好きなのですが最も好きなのがこの78年式キングコブラです。デザインはギアが担当したこともあり可能な限り美しいのに非力なエンジンやとてもコンパクトなところ、格好だけなところ、人々に愛されないところが本当に大好きです。
こんな記事、よほど好きでないと書けないですしねw