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どうもでょおです。
さてさて注目度は最低のリブート版『ヘルボーイ』が日本でも公開されました。そもそも上映している映画館も少なくてちょっと遠くの映画館までいってきました。
海外での評判が最低なのは先日すでにお伝えしましたが、私はそんな評価も無視して見に行ってきましたよ。で、肝心の感想なんですが危惧していたほど酷い仕上がりではありませんでした。旧シリーズがもしこの世に存在してなかったら、それなりに人気も獲得できたんじゃないかと思います。
もちろん本記事は映画『ヘルボーイ』のネタバレを含んで未視聴の方はご注意ください。
『ヘルボーイ』(2019) のあらすじ
地獄で生まれ、地球で育てられた悪魔の子ヘルボーイ。超常現象調査防衛局「B.P.R.D.」のエージェントとして活躍する彼に、イギリスを荒らしまわる巨人退治のミッションが下される。暗黒時代に封印されたブラッドクイーンが1500年の眠りから覚めたことを知ったヘルボーイは、霊媒能力を持つ少女アリス、ベン・ダイミョウ少佐らとともにブラッドクイーンへと近づいていく。しかし、ブラッドクイーンはヘルボーイを王として迎え入れる企てを図り、ヘルボーイは彼女の甘言と魔力によって世界を滅亡させるほどの強大なパワーを手にしてしまう。
大方こんなところですね。
かつてアーサー王たちによって肉体をバラバラにされたブラッドクイーンことヴィヴィアン・ニムエを、ヘルボーイに恨みがあるイノシシの怪物グルアガッハ復活させようとします。
グルアガッハは各地に散らばったニムエの体を集め、彼女を復活させヘルボーイに復讐しようとします。
『ヘルボーイ』(2019) キャスト
ヘルボーイ(デヴィッド・ハーバー)
出典:Hellboy (@HellboyMovie) | Twitter
新生ヘルボーイこと悪魔アヌン・ウン・ラーマをデヴィッド・ハーバーです。『ストレンジャー・シングス』シリーズのホッパー署長でお馴染みの彼はよーく見るとお腹周りがぽっちゃりしてますw
デヴィッド・ハーバーは最近人気上昇中なのかマーベルシネマティックユニバースの『ブラック・ウィドウ』でレッドガーディアン役を演じることでも話題ですね。
よく見ると顔が旧シリーズのヘルボーイよりもさらに怖くなってます。あと特徴的なマゲがないですね。マゲと言うよりただ髪結ってるだけ。頭剃ってません。
ブラッドクイーン(ミラ・ジョヴォヴィッチ)
出典:Hellboy (@HellboyMovie) | Twitter
昔アーサー王や魔術師マーリンたちの手によって封印されたブラッドクイーンことヴィヴィアン・ニムエ。魔女なのでバラバラに切り刻まれても死にません。
バラバラにして封印されていたのをグルアガッハが復活させ、地球を魔物の世界に変えようとします。
アーサー王伝説に登場するキャラクターですが本来は湖の姫として登場するキャラクターですね。アーサー王にエクスカリバーを与えた精霊でアーサー王の守護霊的なキャラクターだったと思います。
ブルッテンホルム教授(イアン・マクシェーン)
出典:Hellboy (@HellboyMovie) | Twitter
『ヘルボーイ』の育ての父であるブルッテンホルム教授には『ジョン・ウィック』のホテルのオーナー役や『パイレーツ・オブ・カリビアン』の黒ひげ役などでお馴染みのイアン・マクシェーン。
呪い的なもので老化しないそうです。
ベン・ダイミョウ少佐(ダニエル・デイ・キム)
出典:Hellboy (@HellboyMovie) | Twitter
旧『ヘルボーイ』には登場しなかった新キャラのベン・ダイミョウ。B.P.R.D.との合同捜査でヘルボーイと協力することになり、その後B.P.R.D.に参加。ジャガーのような姿に変身できます。
訓練中に化け物に襲われてなんとかかんとか…。って話がありましたがあれって要はダイミョウが変身して意識を失って暴走したってことなんでしょうか。それだとラストの戦いでアリスちゃん襲ったりするよね。
その名の通り日系アメリカ人という設定なのですが、元々は『デッドプール』のエド・スクレインがキャスティングされていたそうです。
代わりに韓国系のダニエル・デイ・キムを起用して納得しちゃうアメリカ人って単純なんだろうな。嫌韓が広がる日本では白人が日本人を演じるより韓国人が日本人を演じる方が嫌なんじゃないだろうかと思ったりします。
ポリコレだのホワイトウォッシュだの色々メンドクサイです。私は別にアジア系が映画に出なくても構いません。
アリス・モナハン(サッシャ・レイン)
出典:Hellboy (@HellboyMovie) | Twitter
赤ちゃんの頃に妖精に誘拐されたことでビジョンを見ることが出来るようになった霊媒師。途中で霊をぶん殴ることが出来る能力を発掘しました。
ヴィランのイノシシグルアガッハとは過去に一悶着合ったようです。
シャイア・ラブーフとライリー・キーオと共演した『アメリカン・ハニー』に登場したサッシャ・レインがアリスを演じます。
『ヘルボーイ』(2019)の感想
不必要なR描写
もう正直これにつきます。リブート版『ヘルボーイ』のなにがダメってグロ描写ですよ。なんて言うんだろ、そもそもグロ描写ってなにが楽しいんですかね。
とにかく不必要なまでに暴力的描写があります。破裂したり切り落とされたり、無駄にめちゃめちゃ血が吹き出します。
正直、外国人ってなぜこんなにグロ描写が好きなのか全くわかりません。それも『ソウ』シリーズみたいに必要不可欠な描写なら理解できるんですが、「そこで首落とす意味ある?」みたいなシーンがクッソたくさんあるんですよ。
不愉快というか生理的に受け付けないというか、そもそも「ここで血みどろにしたらオモロいで」とか思ってる製作者の価値観を疑いますね。寒すぎです。
グロ描写減らしてくれるだけで倍おもしろい映画になったんじゃないのかとすら思います。
最近は『デッドプール』などでグロ強めなアクション映画がウケてるのに乗っかってスベった感じがしますね。
デル・トロの美しい世界観はない
2019年版『ヘルボーイ』の名誉のために先に言っておくと、本作は旧シリーズ以上に原作を忠実に描いているそうです。
それが理由なのかヘルボーイはレッドの愛称で呼ばれませんでしたし、銃の腕前も優れていました。旧シリーズだといくら撃っても全くあたらなかったよね。
ですが正直、旧シリーズを監督したギレルモ・デル・トロのもつ美しい世界観というのは全くありません。映像一つ切り取ってもそうですし、ヘルボーイの描写すらデル・トロ監督のダークファンタジーの世界観がありません。
なんていうか上手く言えないけどゴシックホラーだよね。夢あふれるファンタジーって感じではない。ファンタジーへの情熱を感じません。
本当にうまく言えないけどワクワクしない感じ。あの感覚はデル・トロ作品やジブリ作品特有なんだろうか。誰か語彙力ください。
フランチャイズブームに乗っかった
第一にギレルモ・デル・トロが監督せず、ロン・パールマンが出演しない『ヘルボーイ』ってそもそも作る意味あんの?って感じなんですよ。
リブートしてまで新作出す存在意義がわからんと思ってたんですが、映画見終わってようやく理解しました。
これは続編出してフランチャイズ化したいんだなと。
続編を露骨に匂わせるクリフハンガーで終わりましたし、スーパーヒーロー映画の定番であるエンドロール後の特典映像付きでした。興行収入がどの程度だったのか調べてませんが、この感じで続編製作にこぎつけることは出来るんでしょうかね。
恐らく原作ファンには大ウケ
前もって言いますが私は原作コミックは読んでません。でもこの映画は恐らく原作コミックファンには大ウケしたんじゃないかと思います。
原作読んでなくても、「これきっと原作ネタなんだろうな」と感じるシーンがたくさんありました。ロブスター・ジョンソンとか絶対それでしょ?
2019年版『ヘルボーイ』は一部の人間にのみ大きな人気が出るカルト映画になりそうです。逆に言うと原作コミック読んでない層にはそれほどウケないのかと思います。
原作ネタらしきものを挿入するためにたくさん遠回りしますし、全体的に不要と感じるシーンも多くあります。
映画業界にしては珍しく「原作ファンのための映画化」と言った印象なので、ファンにはたまらないんじゃないでしょうか。
最も評価すべきはデヴィッド・ハーバー
個人的に最高だったのはデヴィッド・ハーバー。
正直言って新作『ヘルボーイ』を見る前はオリジナルキャストでやってほしい、ヘルボーイといえばロン・パールマンしかいない、ぐらいに思ってたんですが、デヴィッド・ハーバー版すごく良い。
というか若いヘルボーイ役にするならデヴィッド・ハーバーしかいないと思うぐらい。多分、旧『ヘルボーイ』をあまり見ていない人間なら中の人変わったのに気が付かないんじゃないかと思うぐらい似てます。
『ストレンジャー・シングス』好きな私には時々ホッパーに見えたけど。それに特殊メイクしててもぽっちゃりなのがわかるもんねw
特殊メイクのおかげでよく見ると旧シリーズより顔が怖いんだけど、仕草や話し方とかロン・パールマン版とよく似てます。
この映画で一番評価すべきなのはきっとデヴィッド・ハーバーの演技力でしょう。
アクションてんこ盛りでスピード感満載
この映画、上映時間はまあまあ長いです。ブラッドクイーンがバラバラになった肉体を回収して復活してヘルボーイを王にしようとそそのかすだけのストーリーラインなのですが、めっちゃ寄り道します。
巨人のシーンやオシリスクラブにリンチされるのとかなくても成立するイベントがたくさんあります。
でもこういった寄り道のおかげで、より多くのアクションシーンがあります。怒濤の展開でスピード感がめっちゃあります。
面白いかどうかはひとまず置いといて、退屈になったり眠たくなることはないんじゃないかと思いますね。見所が満載なので全く寝かせる気がありません。
見所も内容もてんこ盛りだからトイレ行ったら今何があったの?ってなるから気をつけてちょーだい。
ミラジョボ様
ミラ・ジョヴォヴィッチって日本ではめっちゃ人気あるけど海外じゃそれほどってイメージなんですよね。なんとなくなんだけど。
そもそも『バイオハザード』シリーズ自体結構B級よりの映画ですし、どうも今一つなイメージの女優さんです。
……ミラジョボ様ええやん…。
なんだか持ってたイメージ変わりました。
カッコいいし美しいし魅力的です。でもめちゃめちゃ強いくせに簡単に封印されたり、ヘルボーイの持つエクスカリバーであっけなく殺されたりと、役柄的にはなかなかクソでした。ザコ過ぎ。
キャラクター的には微妙ですがミラジョボファンにはおすすめしたいと思います。
ラストのネタバレ解説
『ヘルボーイ』も一応スーパーヒーロー映画ですから、定番のエンドロール後特典映像やラストにクリフハンガーが用意されていました。
6か月後ラストに登場した水槽の中にいた「イクチオ・サピエン」は旧シリーズでメインキャラクターだったブルーことエイブ・サピエンのことでしょう。
手を合わせると相手のことが分かる能力を持っていましたね。
ポストクレジット後にバーバ・ヤーガと会話していた者の正体は不明ですが、海外サイトによると恐らく「コシチェイ」だろうとのこと。
コシチェイはバーバ・ヤーガの奴隷で魂が肉体から離れているから死なないそうです。めっちゃ強いじゃんソレ。
最後に
プロット破たんしてたりツッコミどころも満載で納得できない部分も山ほどありますが、思ってたほど悪い映画じゃなかったです。
すげー評価悪いから、見たこと後悔するレベルなのかと思ってましたがそんなことないです。ヘルボーイに特別思い入れがない人なら「こんなもんだろう」と受け入れられるぐらいなんじゃないでしょうか。
でもまあ続編はいらないですね。やるなら旧シリーズの3作目を待ってます。