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【感想】ローガン X-MEN『遺作で異作、最後のローガン』ネタバレあり

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f:id:dyoblog:20170605235145j:plain(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

ナイスなタイトルを付けたつもりですがありがちなキャッチコピーなので誰かとダブってないかヒヤヒヤしているでょおです。
X-MEN史上最高と評価される「ローガン」が先日2017年6月1日に日本公開されたので鑑賞してきました。今回はその感想になります。途中からネタバレあります。

「ローガン」におけるX-MEN時系列

もうすでにX-MENシリーズで時系列という話をすることがナンセンスですがX-MEN:フューチャー&パストで過去改変したあとにアポカリプスがあり、その世界の未来という設定だと思います。一応、時系列の図をかきましたのでご覧ください。

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ウルヴァリンが新設した世界の一作目がアポカリプスでその世界の二作目です。今後公開予定の作品はおそらく過去改変後の2029年まで、または2029年以降になるかと思います。

 

キャスト

  • ローガン/ウルヴァリン ヒュー・ジャックマン
  • チャールズ・エグゼビア/プロフェッサーX パトリック・スチュワート
  • ローラ/X-23 ダフネ・キーン
  • ドナルド・ピアース ボイド・ホルブルック
  • キャリバン スティーヴン・マーチャント

今回はX23ことローラちゃんが登場します。X-MENの2作品目にも一応、それらしいキャラが登場してましたが今回は以前よりも原作に忠実な爪の数でちゃんと少女の設定も備えています。

 

R指定という選択肢

X-MENシリーズではじめてR指定を採用した「デッドプール」が大ヒットしたことの影響かローガンもR指定作品での公開になりました。日本では「R15+」で公開。

序盤からR指定作品らしく過激な暴力描写からはじまります。個人的にR指定作品にしなくても映像化できそうな作品であると感じましたが、ウルヴァリン最後の作品ローガンでのハードで壮絶なエンディングに大きく貢献しています。

ここからネタバレあります

 

ローガン、息子になる

f:id:dyoblog:20170605235400j:plain(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

これまで(過去改変前の話)ローガンは記憶がありませんでした。もちろん自分自身の幼少期や父のことなどは何も覚えていません。仮に過去改変後、ローガンの記憶をなくしている設定が帳消しになっていたとしてもローガンはヒーリングファクターによりかなりの長生きですので父の記憶は遠い彼方でしょう。

これまでの作品でまさに野獣だったローガンを導き支えたチャールズエグゼビアはいうまでもなく父のような存在でした。

旅の途中でごまかすためにチャールズエグゼビアのことを「父」と呼んでいるシーンがあります。それがあまりに自然で本当の親子のように見える二人を見て、これまでのX-MENファンは間違いなく感動してしまいます。

そんなチャールズエグゼビアが旅を通して息子ローガンに伝えたかったのは「父親の背中」でしょう。ローガンは2029年になってはじめて父親になったのですから。

 

ローガン、父になる

f:id:dyoblog:20170605235317j:plainLOGAN ローガン : フォトギャラリー 画像(3) - 映画.com

遺伝子実験で誕生したローラは生物学上のローガンの娘です。初めてであった二人はあまり良好でない関係でした。

ですがカジノでマネキンを見ているローラからもわかるようにローラが欲しているのは父でした。物語後半でローガンが国境までローラを送り届けたときのローラの不機嫌もそれでした。

人との付き合いすら不得意なローガンは不器用で死ぬ最後の最後にやっと父になることができました。自身を犠牲にして娘を守ることでローラには父ができました。

ローラがパパと呼んでから十字架をXにするエンドロールまで泣きっぱなしでした

 

ロードムービーの側面

これらすべての出来事がメキシコからノースダコタまでの旅の中で描かれている点はコミックヒーローものとしては異色ではないでしょうか。
旅を通してカジノへ行ったり、古い映画「シェーン」を観たり、途中で出会う一般家庭はローガンにとってもローラにとっても親子のお手本になりました。

私の大好きなロードムービーのひとつに「パーフェクトワールド」があります。
ケビンコスナー演じるブッチが子どもを人質に逃避行を繰り広げる作品ですが、この二人は旅を通して本当の親子のように友情を育みます。

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今回のローガンもそれに通ずるものがありました。二人が愛を育み、最後には不当な死を遂げる。

 

西部劇とローガン

劇中で西部劇の傑作シェーンが取り扱われている点やプロット自体がシェーンに似ているという点はどこのブログでも触れていますが今作では他にもわかりやすく西部劇らしい要素が多数あります。

西部劇ではしばしば荒野が舞台になり、今作でも物語はメキシコの荒野からはじまります。また眩しすぎる太陽もその一つですね。

他にも銃弾で穴だらけの2024年型クライスラーもマカロニウエスタンのようなハードな印象を与えます。

西部劇では主人公達がメキシコに逃げる話がありますが今回のローガンは同じように正反対のノースダコタに逃げるというストーリーも西部劇ファンならピンとくる要素の一つです。

ラストでローガンやローラの持ち味であるアダマンチウムの爪ではなく、拳銃からたった一発の銃弾が使用され点も印象的でした。

 

遺作で異作、最後のローガン

西部劇やロードムービーの要素を取り入れた本作はアメコミ原作映画の新たな金字塔を打ち立てた異色作です。長年にわたりウルヴァリン/ローガンを演じ続けたヒュー・ジャックマン本人に捧ぐような最後の作品でした。

ここまでX-MENシリーズを大切にしてきた20世紀FOXが2代目ウルヴァリンを登場させるとは思えません。

当然、ヒュー・ジャックマンは死んでいませんが、まさにウルヴァリン最高の遺作になりました。

 

何とも言えない独特の世界観の「レギオン」や本格的ホラー作品になるという「ニューミュータンツ」など近年精力的に他のアメコミ映画との差別化を心がけてきたX-MENシリーズだからこそ作れた異作でした。

 

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