どうもでょおです。
このブログではあまりお絵かきの話をしてませんが、液タブ(液晶タブレット)買いました。
グラフィックデザイナーなので、たまに仕事用の挿絵とか描くし合った方がいいかなと。ちなみに趣味ではこんな感じの絵描いてます。
話を戻して、今回買った液タブはXP-PEN Artist 15.6 Proです。
というわけで今日は「XP-PEN Artist 15.6 pro」のレビューになります。結論から言うと大変満足ですが、見落としがちなデメリットもあるのでその辺りを紹介します。
追記:新しく登場した上位(?)モデルのArtist Pro 16のレビューを書きました。
デメリットあり【XP-PEN Artist Pro 16】は本当におすすめできるかガチレビュー
- 【Proと無印を比較】違いはボタンの数と色域
- 【レビュー】XP-PEN Artist 15.6 Proのデメリット、ダメなとこ
- 【メリット】XP-PEN Artist 15.6 Pro買ってよかったとこ
- 【結論】XP-PEN Artist 15.6 Proはおすすめできるか?
【Proと無印を比較】違いはボタンの数と色域
XP-PEN自体は外国企業(というか中国)なので、なんていうかラインナップが分かりづらいんですよね。どれが上位なのかとか。
特にわからんのが「Artist」と「Artist PRO」。違いを一言でまとめると、おもにファンクションボタンと色域です。
「Artist PRO」はAdobe RGBカバー率92%と17%高く、ファンクションボタンが2つ増えてホイールも追加されてます。
私はキーボードショートカットを使うのでそもそもファンクションキー不要派ですが、色域は広い方がいいのでPROを選びました。
色域ってなんやねん!って方のために簡単に説明すると…
デジタルの世界では1658万1375色あるんだけど、その内「Artist PRO」では1525万4865色表示できるけど「Artist」では1243万6031色しか表示できないって感じ。
正確に言うと全然違うんだけど、簡単にニュアンスを伝えるとすればこういうイメージです。
ただし、色域表示が広いだけなので色表示が正確とは限りません。それを言い出すと私の思う赤とあなたの思う赤も違うのでキリがないんだけど。
【レビュー】XP-PEN Artist 15.6 Proのデメリット、ダメなとこ
以下、XP-PEN Artist 15.6 Proを1カ月ほど使用してみて感じたデメリットです。
15.6インチでフルHDはギリギリ
難しいので解像度の解説はすっ飛ばしますが、Artist 15.6 Proの解像度はフルHDです。これは結構ギリギリかなと思ってます。
イマドキはスマホにすらフルHDが搭載されています。スマホと同じ解像度で15.6インチサイズになると当然見た目は荒くなります。
これがもしテキストやブラウジング目的のパネルならフルHDがちょうどいいサイズですが、お絵かき目的だとちょっと気になるかもって感じです。繊細な部分まで見るから。
これまで私は10.6インチにフルHDというかなり高精細な環境で絵を描いてたので逆に気になるだけかもです。
とはいえ画面に顔を近づけて姿勢悪く絵を描かない限り気になりません。(←つまり私は姿勢悪く描いてる…)
参考までにこんな感じ。
ペンボタンのクリック感が軽い
ペンについてるこのボタンが柔らかいのが気になる。
消しゴムと鉛筆ツールが切り替えられる便利なボタンなんですが、このボタンのクリック感が軽い。
Artist 15.6 Proのペンは電池も充電も不要(←実はめっちゃ大事)で軽くて最高なんですが、ボタンが柔らかすぎて誤クリックしちゃうんですよね。
間違えて押すと描いてる途中で鉛筆ツールから急に消しゴムツールに代わったりしちゃいます。
もう少し硬くするかもう少し高さを持たせてくれるとありがたいんだけど…。
ペンボタンを無効化しても意味ない
上述の続きです。
XP-PENはありがたいことにドライバから、ウザいペンボタンを無効化できるんですよね。
でも無効化してもペンは反応するんですよ。
無効化してるのでツールは切り替わりませんが、ソフトウェアで無効化してるのでペン自体は「あ、今ボタン押されたぞ」ってわかってるんです。その結果こうなります。
途中でストロークが切れてるでしょ?描画中にペンボタンを押すとこうなります。
つまりボタンを押さないように気を付けるしかないんよ…。
ちなみにこのボタンは無効化だけじゃなくて他のツールを割り当てることもできるのでカスタマイズ性は抜群。
付属の保護フィルムが弱い
XP-PEN Artist 15.6 Proには液晶の保護フィルム(2600円相当)がはじめから貼りつけてあるのですが、コレの耐久性がちょっと弱い。
使って1カ月ほどですが、すでに傷だらけです。液晶なので傷がついているとその部分がモヤモヤっとなって見づらくなります。
アンチグレアでザラッとした抵抗あるフィルムなので紙のような描き味を求める方には良いんですが、私はガラスフィルムのツルっとした質感でこれまで描いてたので多分筆圧強すぎるんだと思う…。
ゴリゴリ描かなくても描けるんだから、みんなは筆圧強すぎないように使ってください。
本体がちょっと安っぽい
ワコムの同クラスの液タブの6割程度の値段なので、安っぽいというかそもそも安いんですが。
これが4万円のデバイスです!って言われると、全部プラスチックだしちょっとだけ質感低いなって感じではあります。スマホなら4万円でももっと質感高くてカッコいいし。
といっても絵を描くための道具ですし、自分以外見ないし、値段と機能を天秤にかけると妥当な質感だとは思います。
ちなiPadのようなタブレットではなく中身はほとんど液晶だけなのでメチャクチャ軽いです。フリスビーにできそうなぐらい軽いです。
公式オンラインストアがちょっと不安
公式オンラインストアから注文したんですが、ちょっと日本語対応が微妙でして不安になる瞬間がありました。
サイトは日本語対応済みなのにブラウザが英語サイトだと認識して変な表示になったり、注文完了メールが変なニュアンスだったり…。
これ注文後に届くメールなんだけど、支払い"は"完了しましたってどういうことよ、支払い以外はまだ完了してねーの?ってちょっとあたふたしてましたw(ちなみに支払い以外も完了してました)
外国の人が頑張って日本語対応しました、みたいなサイトでお買い物するのが不安な方はAmazonで買った方が安心できるかもしれません。
ていうか公式サイトで買っても配送元はAmazonでした。
【メリット】XP-PEN Artist 15.6 Pro買ってよかったとこ
この記事ではデメリットをメインに紹介したかったのでメリットはサクサクっと軽く紹介して終わりたいと思います。
液タブとしての性能は完璧
正直スペックとしてはもっと上の液晶タブレットはあります。
色域がもっと広いだとか、液晶がもっときれいだとか、ペンの応答速度が高いとか、視差がもっと少ないだとか…。
でもぶっちゃけそんなもの誤差の範囲かと。XP-PEN Artist 15.6 Proを使ってて、遅延や誤作動、思い通りに動かないと思ったことは一切ありません。
色域なんて素人目にはわからないことの方が多いし、なんならモニターのメーカーによっても全然色違うし、ペンの応答速度が速いとか言われてもそんなに早くペン動かせないし、視差だってモニターからある程度目を離すんだから作業に影響ないです。
「快適に絵を描く」という本来の目的は完璧に果たせてますし、これ以上の性能は今のところ私には必要ありません。(一応仕事に使ってるにもかかわらず)
ちなみに余談ですが遅延は液タブどうこうよりもPC性能とソフトの相性の方が大きいです。
設定簡単、不具合ゼロ
中国製品なので使う前は正直、設定上手くいかなかったり頻繁に不機嫌になりそうと思ってましたが、今のところそんな場面には出くわしておらず。
懸念していたペン先の沈み込みもほとんどわからないし全く気にならない。というかこの記事書くまで、それが心配だったことすら忘れてた。
設定はドライバーソフト入れるだけだし、訳の分からない不具合とかも全くなく。
加えてドライバーソフトが優秀なのでカスタマイズ性がすごく高く、自分が望む環境に完璧に設定できるかと思います。
私はそこまで望むものが高くないのでそんなに設定いじくり回してないけど…
タッチ機能がない
タッチ機能がないのでペンでしか反応しません。
一見するとデメリットですし、タッチ機能はもっと上位クラスの液晶タブレットにしかついてないので、メーカー的にもデメリットだと思ってるかと思います。
ですが実際タッチ機能がついてると誤作動多発するので絶対にいらない。
私はいわゆるタブレットPC(パソコンとタブレットが一体の物)を使ってましたが、めっちゃイライラしましたね…。
タッチ機能があると便利な場面はたくさんありますが、快適にお絵かきしたいならない方がいいです。
ちょうど良いサイズ
液タブってデカい方が高価だし、デカけりゃデカいほど良い気がしますが、多分実際はそうじゃない。
マウスと違ってペン操作だから大きすぎると手の移動距離が増えるんですよね。その分かえって作業効率が落ちる。
ちょっと違うけど私はPCモニターを21インチから27インに大きくして作業効率が落ちました。目線の移動距離が増えるんですよね。
それにあまり大きいとキーボード置けない問題が発生します。私はショートカットキー30個ぐらいは余裕で使うのでキーボード必須です。
右手は液タブ、左手はキーボードの上がホームポジションです。(グラフィックデザイナーは基本みんなどんな時も左手はキーボードの上です)
だからといってこれより小さな液タブになるとペイントソフトの作業スペースが狭くなり、拡大縮小を何度も繰り返して作業することになるので、やっぱり作業効率が下がる。
付属品マシマシ
個人的には必要な付属品は全部そろってました。というか余分なぐらい。
保護フィルムははじめから貼ってあるし、ペンは充電も電池も不要、予備のペン先もスタンドもグローブもついてきます。グローブとか欲しくても絶対自分で買わんやつやん。
液タブ買ったから一緒にアレも買わなきゃみたいなことがないです。
とはいえ付属品は時期によって若干異なるようなので注意くださいな。
私が買った時はミニディスプレイへの変換アダプターがありませんでした。(今時ミニディスプレイポートついてるPCの方が少ない気がする)
価格が安すぎる
もうコレにつきるのよ。以前は液タブと言えばワコム一強でしたが全然そんなことない。
ワコムの同クラスの液タブはArtist 15.6 Proの1.7倍の値段になってる。だからといって1.7倍の性能があるかと言われればそんな訳ない。
さっきも言いましたが私の中でArtist 15.6 Proの持つ性能は十分ですし完璧です。これ以上の性能があったとしてもそれを実感できる自信がありません。
むしろ浮いたお金でPCのメモリ増設したりストレージ増やした方が作業環境が快適になるでしょう。
【結論】XP-PEN Artist 15.6 Proはおすすめできるか?
長々と語りましたが、結論を一言で言うとXP-PEN Artist 15.6 Proはおすすめできます。というか、上記で挙げたデメリット以外にデメリットらしいものがほとんどないです。
15インチ以上の液晶タブレットが4万円前後で買えるのはマジで革命的に破格。
- 15、16インチクラス以上の液タブが欲しい
- 快適に絵が描けるけど安い方が良い
- ワコムブランドに興味がない
って人にはベストな選択かと。
もっとハイスペックだったり、もっと大画面だったりする商品はあります。XP-PEN Artist 一択とまでは言いませんが道具はあくまで道具。
道具が良いからっといって上手い絵が描ける訳じゃないです。私が冒頭で貼ったイラストって10.6インチのちっこい画面で描いたんですよ。オマケにペイントソフトはSAIです。
未だにSAIとか使ってるヤツいるんですよw
もっと言うとPCだって8年前のCPUだしな…
とにかく迷ってるぐらいならマジでXP-PEN Artist 15.6 Proは買いです。迷ってる時間がもったいない。
必要最低限のスペックを備えた道具買って、早いことたくさんの絵を描きましょ。それが上達への一番の近道です。
板タブ使いは感動すること間違いなしだよ