こんばんはでょおです。
4月7日にパート2が配信開始されたNETFLIX(ネットフリックス)オリジナルドラマにゲットダウン(Get Down)という作品があるのをご存知ですか?
随分前からあるのは知ってたのですが画像から勝手に「ディスコ」のドラマだと思っていましたw
ディスコのドラマでなくてヒップホップのドラマでした。
ヒップホップ黎明期、ディスコからヒップホップに変わる激動の時代を描いた青春ドラマといったところ。
ラップのみではなくヒップホップ4大要素、DJ、グラフィティ、ブレイクダンスも含めたヒップホップです。
今回はそのゲットダウンパート1の感想レビューをパート2を観る前に記事にしたいと思います。ネタバレはありません。
ちょうど1年程まえ配信開始されたので今更感ですね。
かつてグラフィティの影響力は絶大だった
そもそも「崩した文字の落書き=グラフィティ」と呼ばれること日本人の多くは知らないでしょう。
罪も償った今だからこそ言えますが私はグラフィティライターでした。私の青春はグラフィティでした。寝ても覚めてもスプレーとマーカーを握っていたような時期もありました。
そんな当時はゲットダウン(Get Down)の舞台である70年代に比べるとグラフィティがヒップホップへ与える影響力はかなり弱かったです。ヒップホップ4大要素のうち唯一、イリーガル(非合法)が前提であり商業化も難しく、治安は年々よくなっていきグラフィティライターの肩身はどんどん小さくなっていきます。
NETFLIX(ネットフリックス)ドラマ ゲットダウン(Get Down)はそんなグラフィティが未だ猛威を振るい、人々に感動を与えていた時代を舞台にしています。
グラフィティライターを好意的に描いている
これまでグラフィティライターをここまで好意的に青春の一部として描いた作品はなかったと思います。
グラフィティの映画といえばドキュメンタリー「スタイルウォーズ」「ワイルドスタイル」が有名で他にも「ボム・ザ・システム」(こちらはドキュメンタリーではなく8Mileのグラフィティ版みたいな感じ)なんかがあります。
いずれもヒップホップヘッズには名作ですが、やはり非合法的な部分がクローズアップされています。ある意味でそれが醍醐味で権力に逆らう非合法こそがグラフィティではあります。
ですがこのNETFLIX(ネットフリックス)ゲットダウンではグラフィティがストリートの代弁者としてとても好意的に描かれております。
シャオリン
その例がフッドスターのグラフィティライター「シャオリン」。
彼は主人公の一人でグラフィティライターからDJに転身しようとするところから物語が始まります。
そのライターとしての「シャオリン」の描かれ方がまさにフッドスター、地元のヒーローのように憧れの的として描かれます。
真っ赤なピカピカのスニーカーで、華麗に空を舞うグラフィティライター「シャオリン」はストリートから一目置かれています。
このキラキラとした感じ、噂を作り上げるところはバズ・ラーマン監督ならではで、ドキドキする感情は他にはありません。
ルーミー
ゲットダウンはヒップホップ4大要素を含むヒップホップの映画といいましたがやはりメインは音楽。ラップとDJです。
そんな物語を全編通して登場するグラフィティライターはルーミー。本名ディジー。彼はタグネームを打つだけのただのグラフィティライターではなくルーミーというキャラクターをボムするライターです。一過性の流行に乗っかったライターではなく生まれもってのアーティストといった印象です。
いくらグラフィティライターを好意的に描いているとはいえイリーガル、反社会的であることは言うまでもありません。なので取締がどんどんと厳しくなっていくのですが、ディジー/ルーミーはそれに合わせてどんどんアートの世界に引き込まれていきます。
このアンダーグラウンドからオーバーグラウンドへ成り上がっていくのもグラフィティライターとしての夢に共感できるものでした。
アンダーグラウンドからオーバーグラウンドへ
グラフィティを含めてヒップホップというものはアンダーグラウンドなものでした。現在日本ではヒップホップブームとはいえ未だに世間には正しい見解を持っている人は少ないです。
そんなアンダーグラウンドな世界をより解釈しやすい作品になっています。
物語の始め、主人公を含めた仲良し4人組はヒップホップがなにかも分からない人たちでした。これは私たち一般人と同じ目線で物語が始まるということです。
その4人がヒップホップに出会い、知り、のめり込んでいきます。
すごく丁寧で美しく、バズラーマンらしいきらきらとした世界観でヒップホップ分化という物をひも解いていきます。
おわりに
出典:http://eiga.com/news/20170313/17/
このNETFLIX(ネットフリックス)ゲットダウンという作品を観て、現役グラフィティライターが何を感じるかは分かりません。
ですが今はアンダーグラウンドの世界でもラップやDJほどの影響力はないグラフィティライターが70年代後半にストリートの中心にあったことを描いているのがゲットダウンです。
音楽がメインの作品とはいえグラフィティライターには一度は観てほしいと切に感じた作品でした。
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