この記事は2018.2.2に投稿して2019.5.14に更新しました
どうもでょおです。バイク(エリミネーター250SE)のシングルシートカウルをFRPにて自作する企画を絶賛(?)配信中のでょおです。
今回は初心者には若干敷居の高いFRPを使ったカスタムの基本を紹介します。FRPの選び方、貼り付け枚数、1kgでどのくらいの物が作れるのかなどを紹介しますのでご参考ください。
FRPカウルの自作を第一回目から見たい方は下記の記事です。
FRPで素人がシングルシートカウルを自作する【バイクカスタム】
FRPの選び方
まずFRPの基本のお勉強です。FRPはポリエステ樹脂とガラス繊維の二つからでできています。なのでガラス繊維とポリエステル樹脂の選び方をご紹介します。
ガラス繊維の選び方
ガラス繊維には「ガラスマット」と「ガラスクロス」があります。ガラスマットを使うのがいいのかガラスクロスを使用するのがいいのか、その選び方ですが、まずは違いから。
ガラスクロスとガラスマットの違いは、ガラス繊維をランダムに纏められて整形された布なのか、ガラス繊維を編み込んだ物なのかです。
特徴をまとめるとこうなります。
ガラスマット
- ガラス繊維を纏めて布状にしている
- 安価
- 貼りやすい
- 重くなりがち
- 裏面がゴワゴワ
ガラスクロス
- ガラス繊維を織って布状にしている
- ガラスマットより高価
- 貼りにくい
- ガラスマットより軽く丈夫に作れる
- ガラスマットより裏面が滑らか
と、まあ特徴はざっとこんな感じです。
軽く仕上げたい方、裏面の滑らかさに拘りがある方はガラスクロスがおすすめです。それ以外の方はガラスマットがおすすめです。やっぱり細かい部分は俄然貼りやすいので初めて自作するのであればガラスマットがおすすめです。
ポリエステル樹脂の選び方
続いてはポリエステル樹脂、つまりプラスチックになる部分の選び方です。
FRP自作でよく使われるポリエステル樹脂は大きく分けて2種類あります。インパラフィンとノンパラフィンです。それぞれインパラ、ノンパラと略されます。
違いはパラフィンというものが初めから入っているかどうかです。
ポリエステル樹脂は硬化材だけでなくパラフィンも入っていないとパーツのように硬く硬化しません。
カウルを自作するのであればインパラ一択です。私はインパラフィン、つまりパラフィン入りしか使ったことがありません。無駄な作業が一個減るのでおすすめです。
FRP樹脂1kgで自作できるものの目安
初心者の方がFRPを選ぶのに悩む要素のひとつですがFRPの量です。ポリエステル樹脂とガラスマットの比率はおおよそ1:2です。もちろん使用する樹脂の量で異なりますが、理想的な割合はこうなってるみたい。
つまり1kgのポリエステル樹脂ではガラスマット500g分のものが作れる計算になります。
ガラスマットの種類によって重みが異なるので一概に言えませんが、こちらのページによるとガラスマットの番手は㎡の重量を表しているそうなので計算すると1.3157㎡くらい貼れる計算になります。(多分)
間違ってたらごめんなさい。
つまりFRP樹脂1kgあれば、3プライ(3層重ね)で0.438㎡、約40×40cmくらいのものが自作できる計算になります。
と、なると私が買ったFRPは1kgでは絶対足りない計算になります…やっちゃった。
さらに私のようにFRPを貼るのが下手な人間はより多くのポリエステル樹脂を使うので3プライで30センチ×30センチくらいかな。どっちにしろ絶対足りません。
片道30kgのホームセンターにまた行かないと行けないんですね。みなさんも自作カウルを作るときは、ざっと計算してから購入することをおすすめします。私の計算が合っていればの話ですが。
FRP自作の失敗経験者しかわからないコツ
ここからはFRP自作で失敗した経験者しかわからないコツをご紹介しますよ。
ポリエステル樹脂は臭すぎる
まずこれ。FRP用の樹脂ってめっちゃ臭い。ポリエステル樹脂を使う時はお気をつけください。けっこうな刺激臭です。
たまにこういう臭いの二液性パテもあります。触らなくても近くにいるだけで臭いが服につきます。作業後はすぐに作業着の洗濯をおすすめします。もちろん触った場合もちょっとやそっとの手洗いじゃ臭いはとれません。
ガラス繊維はかゆすぎる
世の中には素手で触れるという猛者もいるようですが私には絶対に無理です。
1週間ぐらい手がかゆくてたまりません。できるだけ手で触らず、できるだけガラス繊維を巻き上げないようにゆっくり動かしながら作業する事をおすすめします。
手はトイレ掃除に使う分厚いゴム手袋をして、輪ゴムで袖口をとめてその上からさらに軍手をしています。また厚着してできるだけ肌を守ることも重要です。
もしガラス繊維でかゆくなった時は掻かずによーく見てみてください。ガラス繊維が刺さっている時もありますから。
真夏に自作しちゃダメ
ご想像とおり夏はFRPがすぐに硬化します。
真夏の昼間なんかにするとたとえ硬化剤を減らしていても作業終了前に硬化してしまいます。下手すりゃ硬化剤なくても固まんじゃねーのか。
作業が終了しないだけではなく、「早く硬化する=歪みが発生しやすい」ので真夏には避けたい作業です。
どうしてもというのであれば、夜中に投光器つけてでもやってください。私はやりませんけど。
ガラス繊維はモミモミする
ガラスマットやガラスクロスは想像以上に固いです。イメトレでは上手く貼れる部分も実際にやってみると繊維はすぐに布状に戻ろうとして浮いてきます。
この対策としては、ガラス繊維を貼る前に、モミモミ揉んでほぐさないといけません。
私はこれを知らずに自作したものだから、はじめは大失敗でしたよ。絶対モミモミしてください。
刷毛は使い捨て
刷毛のお手入れですが、私もはじめの方はアセトンで洗ったりしてました。
でも何回やっても刷毛の奥の方が固まってしまってうまく清掃できませんでした。だから今では刷毛は完全に使い捨てにしています。
ホームセンターの格安品を必要数買う事がおすすめです。場合によっては刷毛よりアセトンの方が高いから。
小さすぎる気泡は消える
延々と小キズ程度の気泡をパテで消していた時があります。これはポリエステル樹脂と硬化剤の撹拌時に起きる気泡です。素人の自作派ではどうしようもないことです。
小さすぎるので脱泡ローラーを使ってもなかなか潰せない気泡です。とても小さくても手で触って分かるくらいの気泡で悩んでましたが、サフ吹いて色吹いたら完全に消えました。
小さすぎる気泡は塗装するときに消えてなくなるので自作派の皆さんはあまり深く考えすぎないように。
結局、遠回りが近道
刷毛をケチったり、樹脂をケチったり、手間を惜しんで1回で貼ろうとすると失敗する事が多いです。横着してもだめです。
細かい部分は必ず分割してFRPを貼って後から合体させて制作する方が確実です。
プロがやる作業を素人が自作するんですから、その分手間をかけましょう。大体手間とお金かければ納得いくもん作れるようになってます。
終わり
以上が【自作派必見!】初心者のための車補修用"FRP"の選び方とコツになります。FRPの選び方が分かったらいよいよ車やバイクのエアロパーツ作り、補修の作業に移りますよ。