どうもでょおです。先日は自動車やバイクを自分で缶スプレーを使用して自家塗装をするときの「失敗しない方法」を紹介しました。今回はその続きになります。
今回は「自分で塗装したけど失敗してゆず肌になっちゃった」っ方のための原因と修正方法を紹介します。
そもそもゆず肌とは
自動車やバイクの塗装におけるゆず肌とはこんな感じ
- ザラザラしてる
- デコボコしてる
- 表面の反射が不鮮明
塗装失敗例の写真がこちらです。
表面がでこぼことしてまだら状になっています。ちなみにこれを修正した部分がこちら。
中古で手に入れたバイクのガソリンタンクがゆず肌だったので、その上からウレタンンクリアを吹いてゆず肌修正のみを行いました。
塗装失敗例「ゆず肌」の原因
ゆず肌は塗料の粒子等が粗く吹き付けられた状態で起こります。
つまりゆず肌の原因をまとめるとこんな感じ
- 塗装物とスプレー缶が離れ過ぎている
- 微粒子の異物が混入している
他にも乾燥速度や吹き付けの目の細かさ等が影響しますが市販のスプレー缶塗料では調整が出来ないのでこの2つが大きな原因になります。
まあもうやっちまった場合は仕方がないのでゆず肌を修正しましょう。ゆず肌はほとんど修正が出来るのでご安心ください。
ゆず肌の修正法
まずはゆず肌の拡大図をご覧ください。
ゆず肌は拡大してみるとこのように塗装面がデコボコしています。なので作業としては延々と耐水ペーパーを使って水研ぎしていくことになります。
使用する耐水ペーパーの番手はゆず肌の状態によりますがはじめは最低でも800番ぐらいまでにしてください。
ソリッドカラー(メタリックやキャンディを除く)を塗布時にゆず肌が発生したときは「中研ぎ」という水研ぎ作業を行います。そのあとクリア塗料を吹きます。
少し難しいのはメタリックカラーやキャンディカラーを使用した場合です。メタリックカラーやキャンディカラーは耐水ペーパーを当てるとヤスリがけした跡がキツく残りとても目立ちます。なので捨てクリアと呼ばれるクリアを吹き付けクリア層のみを削り、ゆず肌を修正します。
捨てクリアといっても通常の仕上げ用のクリアでOKです。ただし仕上げ用のクリアに2液性のウレタンクリアを使用する場合は注意が必要です。乾燥後のウレタンクリアの重ね塗りは縮みの原因になるのでNGだからです。
- ○アクリルラッカー→ウレタン
- ×ウレタン→アクリルラッカー
の順番で塗り重ねることは出来るので、通常のアクリルラッカーのクリアを捨てクリアとして吹いて、ゆず肌修正後にウレタンクリアを重ねましょう。この時乾燥時間は長めにとらないとウレタンクリアとアクリルラッカーが侵してしまうのでご注意ください。
またはウレタンクリア層を分厚い目に作って捨てクリア1回でゆず肌を修正するかですね。目安としてはガソリンタンクは小さい物でも2本はあった方がいいです。
ゆず肌修正後の作業
ゆず肌修正後にクリアを吹く場合
中研ぎでゆず肌を修正した場合、そのあとにクリアを吹きます。
大体、耐水ペーパー800番以上でゆず肌を修正したあと、耐水ペーパー1500番くらいまで傷を消してください。細かい傷はクリアを吹くと基本的に消えますが、800番くらいの荒めの傷は見えます。
多少妥協するのであれば800番→クリアでも問題ありません。
ゆず肌修正後は仕上げに移る場合
クリア層でゆず肌を修正した場合はその後仕上げに移ります。ゆず肌修正の傷を消すため耐水ペーパーの番手を徐々に上げていって、最終的には1500番。鏡面仕上げのように美しくしたい場合は2000番以上。
「ゆず肌」の対策
時間が余ったのでゆず肌を発生させない対策もご紹介します。
塗装物とスプレー缶が離れ過ぎている
塗装物とスプレー缶の距離は焼く20cmが適切です。離れ過ぎると塗料が塗装物に付着する前に乾燥したり、微細なゴミが混入したり、微粒子が大きくなります。
20cmの距離を保ちつつ、ゆっくりと塗装するのが良いですがゆっくり過ぎると、塗料が垂れ修正するハメになるので程々に。
また塗装物とスプレー缶の吹き付けを平行に保つ事も必要です。
微粒子の異物が混入している
空気中には目に見えないような小さな異物も浮遊しています。これらが邪魔をして塗装面をザラザラにする事があります。
私の塗装ブース(物置)は風が入らない代わりに、狭くて埃っぽく換気が出来ません。この状況で塗装をするとスプレーの吹き付けで起こる風が埃を巻き上げたり、付着しきらなかった塗料の粒子が空気中に浮遊します。それらを巻き込みながら塗料が付着するので塗装面がザラザラになります。
可能であれば水で埃を洗い流し、適度に換気しながら塗装しましょう。
終わり
基本的にウレタンンクリアを塗装したあとは一切修正せずそのまま極細コンパウンドで表面の艶を出すくらいが理想です。ゆず肌を修正する事は可能ですが、はじめからゆず肌にしない方が美しいです。
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