どうもでょお(@dyoblog)です。
最近は電動バイクの時代がブームになってきています。
リアタイヤのハブにモーターを設けることでほぼほぼボルトオンでEV化できるようなキットも某大陸では販売されたりしています。
そんなハデで目立つカスタムバイクであるEVとセットでよく見かけるのがこれ。
出典:TMC - Tarso Marques Concept
車輪としてなじみあるスポークがない、ハブレスホイールです。
私たちアメリカンバイク乗りにとってはもう10年近く前からちょくちょく見たことがあるカスタムですが、EVバイクやカフェレーサーのイロモノカスタムで最近はトレンドになりつつあるようです。
というわけで今日はこのハブレスホイールについての仕組みや構造、メリットなどについてお話しています。
【スポークなし】ハブレスホイールの仕組みと構造
はじめてみた時はビックリしますよね。どないなってんねんって私も驚愕したことがあります。
パッと見だと宙に浮いてるようにも見えなくないし不思議ですよね。
これまでの概念が覆されているので仕組みや構造が分からない人もいると思うので解説します。
想像してみてください。
すっぽりと収まる2つの筒、分かりやすく言うとこれがハブレスホイールの正体です。
図にしてみました。
ちょっと頑張って描いてみましたみました。
従来ハブに当たった部分は中側の細い筒。この筒がスイングアームや車体に繋がっています。
そして外側の筒がタイヤです。外側の筒は車体に固定されていないので回転することができます。
ものすごく簡略化して分かりやすくするとこういう仕組みです。
本当は筒じゃなくて挟んでるだけの構造になってるものもありますし、筒と筒のスキマにローラーを設けることでスムーズに回転する構造のものもあります。
ハブレスホイールの動力構造は?
ホイールと車体を固定する方法が分かったら次に気になるのは動力源。ハブレスになってるのでチェーンやベルトを引っ掛ける所も見当たりませんよね。
10年ほど前アメリカンバイクのショーカスタムで見かけた動力はこのように取っていることが多かったです。
タイヤ側、ホイール側に巨大なスプロケットを設けているパターンです。ドリブンスプロケットも巨大で真ん中に穴が開いてるような仕組みです。
エンジン側のドライブスプロケットでしか二次減速比が調整できないのはデメリットですねw
とはいえ最近はこっちのパターンの方が多いようです。
こっちの仕組みだと、よりスポークなし感がアップするのですごそうに見えますね。
図では分かりやすいようにホイール側の歯車を大きく描いていますが、実際はもっともっとコンパクトなことが多いです。
ホイールアーチに合わせてカバーがついているので、スプロケットの存在すら見当たらないようなデザインになってることが多いです。
最近ではこのホイール部分そのものを大きなモーターとして扱い、ホイール兼モーターになっている構造のホイールも存在します。
この場合だと確かにメリットは大きいかもしれませんし、理に適ってますね。
チェーンやベルトドライブによるロスが減ることでメリットが生まれますし、モーター内臓ではなくホイールそのものがモーターなのでパーツ点数は減るかもしれないですね。
ハブレスホイールのメリットとデメリット
それではここからはハブレスホイールのメリットとデメリットを紹介します。ざっと見渡した限りメリットはこんな感じ。
メリット
- 見た目がかっこいい(というかすごい)
- 場合によっては軽量化できる
- 空いたスペースを活用できる
- 横風を受けづらくなるかも
基本的にメリットは「見た目」しかないと思われます。あとは空いたスペースを有効活用できるというのもメリットかもしれません。
わざわざそんなところに付けないだろうけど、パニアケース的なものとか。ホイールと一緒に回転しないので良さげではある。
横風受けづらいはもはやちょっとネタ。1円玉ホイールと比べたらそうだろうけど、スポークホイールと比べたら変わりなさそうだね。
デメリット
- パーツ点数増加による重量化
- 運動抵抗増加
- 剛性の低下
- コストの増加
正直に言ってデメリットの方が圧倒的に多いと思いますね。メリットだらけだったらすでに普及してるはず。
ハブレスホイールはもしかすると軽量化することもできるかもしれませんが、基本的にパーツ点数が増えますし重量も増えるので運動性能の低下につながります。
加えて通常のホイールの仕組みと違い大きな運動抵抗が生まれます。
普通のホイールならアクスルシャフト部分のみが回転しているのに、ホイールサイズと同程度の大きさのシャフトがあるようなものですから摩擦抵抗が大きい。
間違いなく普通のバイクよりスピードが出ないです。
それから剛性の低下。見て分かる通りスポークがないです。スポークなしではただの筒みたいなものです。
トイレットペーパーの芯と一緒で強い力が加われば曲がります。曲がらないように厚みを持たせれば当然重量も増加します。それらをクリアするためにコストが増します。
ハブレスホイールの車両は日本で販売しているのか
とはいえハブレスホイールは目立つ。個人的にカッコいいかどうかは微妙ですが、目立ちたがり屋にはピッタリなのは言うまでもないです。
日本でハブレスホイールのバイクが変えるのかちょっと調べてみました。
RMK Vehicles E2
出典:RMK Vehicles
はい。市販予定のバイクを発見しました。
2020年夏に小規模生産を予定しているこちらのEVバイク。2000ユーロの前金で事前予約可能です。
販売価格は24,990ユーロ。本日のレートで2,948,07円ですw
さすがに300万円近くするだけあって最高出力は50kW、トルクは320Nmとパワフルです。電動バイクってすごいよね。
Ujet
ルクセンブルクのスタートアップ企業が開発したハブレススクーター。こちらも電動EV車両です。
バイクというよりもはやスマートデバイスでGPS、3G、Wi-Fi、Bluetooth接続を装備。
最高時速45kmという残念パワーですがたった49kgしかない上に折り畳みなので持ち運びもできるだとか。
公式サイトによると値段は「オンデマンド」とのことで不明でしたが、販売業者も探しているようなので日本でも割と可能性がありそうですね。
最後に
いかがだったでしょうか。
一見するとすごいテクノロジーが使われてそうなハブレスホイールですが仕組みを理解するとそれほど大した構造じゃないのが分かりますね。
見た目こそすごいですが大きなメリットもないハブレスホイールが市販化されて広く普及することは難しいかもしれませんね。