どうもでょおです。
アドビソフトがCCになったことで、ソフトを楽しんでいるうちにグラフィックデザイナーになりたいという方が増えてるんじゃないでしょうか。私も会社で何度か面接官を担当しましたが、やっぱり来る方はほぼ未経験か主婦でリターン希望の方のどちらかです。
正直、仕事ができれば未経験でもかまいません。ですが知っておいてくれないといけないような当たり前すぎることが分かっていない人が多すぎるんですよね。
理由はIllustratorを学んだ職業訓練やスクールなんかでは「ソフトの使い方」は教えても「デザインや版下の作り方」は教えないからだと思います。
もしあなたが専門学校や大学ではなく、独学や職業訓練、スクールなんかで学んでいてグラフィックデザイナーになりたいと思っているのであれば最低限この記事で紹介することぐらいできるようになりましょう。
採用する側が言ってるんだから間違いないですよ。
トンボの作り方
まずはトンボの作り方です。当たり前すぎて言いたくもないくらいなんですが、出来ない人がいるのも知っています。トンボ、つまりトリムマークの付け方を軽く紹介します。
印刷物のサイズで塗りも線もなしの矩形を描きます。「効果」-「トリムマーク」からトンボをつけてその後「オブジェクト」-「アピアランスを分割」から分割してください。
これが正しいトンボの付け方です。守るべきポイントは2つ。
- 線も塗りも必ずなしに
- 「オブジェクト項目」からトリムマークを付けない
2つめに関してはCCでは絶対ではありません。CS4まではオブジェクトの項目からトリムマーク、トンボを付けてはいけません。
デザイン会社は小さいところではいまだにCS5より前のものを使っていることもありますので、普段から癖をつけておく方がいいです。
文字について
職業訓練所やスクールでは教えてくれないかと思います。文字のカーニングと呼ばれる物です。ようは文字詰めについてです。
文字は詰まり過ぎても、開きすぎても読みにくいです。おそらくほとんどの人がイラストレーターのテキストツールをそのまんま使っていると思います。文字をそのまんま打つと文字の間がバラバラになってしまうので普通は使用しません。文字は四角い箱の中でデザインされているからです。
文字のカーニングには「オプティカル」を入れると、簡単に大体は文字間をあわせてくれます。
もちろんこれだけで完璧に文字間が調整できる訳ではないのですが、グラフィックデザイナーは独学で趣味でやってる訳ではなく仕事です。もちろん時間もありません。
なのでオプティカルで文字間を調節して、トラッキングで任意の数値を入れて文字間を揃えて終わりにすることもあります。
文字詰めの理想は素人では分かりにくいと思います。ゆくゆくは身につけていくべきですが、はじめは「広い」と「狭い」の持つ印象だけにこだわれば良いかと思います。
- 【広い】
- 読みやすい
- 落ち着いている
- スカスカにも見える
- 【狭い】
- 読みにくい
- 騒がしい
デザインによって使い分けます。キャッチコピーには両方使いますが、ボディコピーは普通、気持ち広めに取ります。文字の太さが与える印象も大体これに似ています。太い文字は読みにくくボディコピーには使用しません。
レイヤー分け
少しイラストレーターをかじっている方と仕事をするとやたらめったらレイヤーをたくさん作っている印象があります。多すぎるレイヤーは相手に取って非常に迷惑です。作業効率が下がるので普通はそんなたくさんレイヤーを作らないんですが。
レイヤー分けをする場合は
- トンボ
- 文字
- 写真
- 地
くらいまでにするのが一般的だと思います。とにかく他の人がわかるように、無駄は省いてが基本です。
バージョンダウンの方法
これも知っておいてほしい当たり前のこと。地方の安い小さな印刷会社なんかは普通に下位バージョンのイラストレーターを使用しています。こういう場合、イラストレーターのバージョンを下げて保存してほしいと言われると思います。
イラストレーターの下位バージョンでの保存方法は「別名保存」の後に出てくる「Illustrator オプション」で設定します。ちなみに「PDF互換ファイルを作成する」はチェックを外しておいた方が軽量で無難です。
それから下位バージョンに存在しないような厄介なデータは作らないことをおすすめします。透明効果やアピアランス系は昔のIllustratorにはなかったものなので使用しません。Photoshopで制作するか、Illustratorで制作した場合は必ず分割やラスタライズをかけて安全なデータにしてください。
データの受け渡し
グラフィックデザイナーを仕事にしていると色々な人からデータをもらったり渡したりすることが多いです。そういうときはトラブルが発生しやすいです。まず1つめとしてデータはフォルダに入れて圧縮してください。データを安全に受け渡す基本中の基本です。
2つめデータの名前に日本語を使わない。絶対使わないでください。macからwindowsに行き来すると必ずタイトルが文字化けします。文字化けしてしまうとデータのリンクが切れるので正しくデータを確認できません。
3つめ、フラッシュメモリは使わない。念のため説明するとフラッシュメモリはUSBメモリやSDカード等の記憶媒体で後からでも書き込みが可能な物のことです。社内でのやり取りの場合、かまいませんが社外では使用しないでください。ウィルス感染経路になってしまう可能性があり、仮に問題なくても知っている人からするとちょっと抵抗があります。社外へデータをやり取りする場合はCDやDVDに焼いてください。
最後に
正直これ以外にもたくさんありすぎるんですが、これさえ分かっていないと「お前こんなことも知らないの」とか「お前何やってんの」と言われても仕方がありませんよ。個人的には独学からグラフィックデザイナーになるのはかなり難しくハードルが高いです。Illustratorが使えるのは当たり前、重要なのはそこから何が出来るか、どれくらい時間がかかるのかということです。
グラフィックデザイナーになるのには一筋縄ではいかないのでしっかり知識と能力を身につけて挑んでください。