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どうもでょおです。6月は見る映画たくさんあって忙しいですね。他のジャンルの記事は書きかけで放置してるのがたくさんあります…。
さて本日、見に行ってきた映画は実写版『アラジン』。ディズニーは近年、名作アニメを軒並み実写化していますが『アラジン』もその一つですね。
私はディズニー大好きっ子なので、正直実写化には不安しかありませんでしたが、アニメ版のファンなので見ないわけにはいかないだろうということで見て参りました。
いつもと同じでこの記事には映画2019年版『アラジン』のネタバレが含まれています。未視聴の方は十分注意して読んでください。ではどうぞ。
実写版『アラジン』のあらすじ
生きるために盗みを働きながらも真っ直ぐな心を持ち、人生を変えるチャンスをつかもうとしている青年アラジンと、自立した心と強い好奇心を抱き、自由に憧れる王女ジャスミン。2人の運命的な出会いをきっかけに、それぞれの願いは動き始める。そしてアラジンは、邪悪な大臣ジャファーの甘い誘いに乗り、魔法の洞窟からランプを引き受けるが……。
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ディズニーのアニメ実写版映画は、
- アニメと同じ内容
- アニメのアレンジ
- アニメの続編
と3パターンあります。『メリー・ポピンズ』や『プーと大人になった僕』なんかはアニメの続編ですね。今回の実写版『アラジン』はアニメとほぼ同じ内容、アレンジもほとんどない映画でした。
なのであらすじに関してはこれ以上触れません。アニメ版と一緒だから。
実写版『アラジン』のキャスト・登場人物
ストーリーがほとんど同じだったのに対してキャラクターは大きく変更が加えられていました。
ジーニー(ウィル・スミス)
誰もが予想していた通り、実写版『アラジン』の主人公は実質ジーニーasウィル・スミス。"The 俺様" 俳優です。
ジーニーといえば故ロビン・ウィリアムズのマシンガントークが炸裂した超印象的なキャラクターです。
監督も多分悩んだんだろうね。ロビン・ウィリアムズの代役を見つけるよりいっそ違うキャラにした方がいいと思ったんでしょう、はい。ロビン・ウィリアムズ版とは似ても似つかない新しいジーニーが誕生しました。
アラジン(メナ・マスード)
アラジン役にこのメナ・マスードがキャスティングされたという話があった時に一番に思ったんですよ。
お前誰やねん。
それもそのはず。演技経験も少なくほぼ無名俳優だったようです。
アラジンにしてはイケメン過ぎるし、ヒゲが汚いし、面長じゃないし。正直、映画を見る前は文句タラタラだったんですがメナ・マスードのアラジンはよかったです。多分この映画の中で一番いいキャスティングでした。
顔は似てないんだけど、笑い方とかよく動く眉とか純粋そうな感じがすごくよかったです。
一つ文句言いたいとすれば衣装がおかしい。裸にベストはダメでもベストの色変えるなよ。紫のベストに赤い帽子だったはずが紫の帽子に赤のベストになってました。
赤ってジャファーの色ってイメージがあるんですよね。
ジャスミン(ナオミ・スコット)
アラジンのメナ・マスードよりは知名度ありなナオミ・スコット。『パワーレンジャー』なんかに出てた女優さんです。すごくきれいな人なんですがジャスミンじゃないよねって感じ。
ジャスミンってもっとエキゾチックな顔立ちだったし、睫毛バチバチ目の周り真っ黒って感じだったと思うんですよ。
ナオミ・スコットたしかにプリンセスっぽい雰囲気だけど、アラビア人っぽさが全くない。と、思いきや実際にアラブ系じゃなくてインド系でした…。
ジャファー
ジーニーに次いでひどいキャスティングだったのがジャファー。もう完全に別物。ジーニーのキャラチェンは仕方ないよなと割と納得できるのに対してジャファーはイマイチ納得いきません。
あの背の高い気持ち悪い狡猾な国務大臣はどこに行った。イケメン過ぎかよ。気持ち悪いジャファーがジャスミンと結婚しようとするから悪者っぽさが際立つのに。
ジャファー役にはマーワン・ケンザリ。彼も結構映画で見かけることが多いですね。『セブン・シスターズ』でのヒロインの彼氏役や『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』のちょい役で見覚えがあります。
実写版『アラジン』の感想
まあ見る前から不安しかなかった実写版『アラジン』ですが、不安的中というか。半年前にこんな記事書いたぐらいなんですよね。
実写版【アラジン】が地雷映画だとしか思えない4つの決定的な理由
最近の「ディズニー実写化ブーム」に一部の人間は危機感を覚えているんですよ。
これってようは今までに見た映画を思い出す、ノスタルジックな気分にさせることで「良い」とされる映画だからです。
例えば『くまのプーさん』。私が小さい時に見て大好きだったくまのプーさんは、映画の最後で大親友のクリストファー・ロビンとお別れをします。実写版のくまのプーさん『プーと大人になった僕』ではその後、大人になったクリストファー・ロビンとの再会が描かれました。
これってまさにノスタルジーな思いを抱いてしまいますよね。おかげで私はボロ泣きでしたが…。
スター・ウォーズとかもある意味それで、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』はモロに旧シリーズを意識していて、ファンたちにノスタルジックな思いをさせました。
この2019年版の実写『アラジン』もまさにそれで、「あの名シーンをそのまま再現しました」みたいなところがかなりある。「Whole New World」のシーンとか、その後にある絨毯がアラジンを押すキスシーンとか懐かしいシーンがいっぱいあります。
でもこの再現が不必要にアレンジされているんですよ。「Whole New World」歌ってるシーンにスフィンクスは登場しないし、絨毯が押して偶発的にキスしちゃうんじゃなくて絨毯に押された後に自分でキスしたり。
そこ変える意味って本当にあるのかなって感じなところがいっぱいあるんですよ。本当にめっちゃいっぱい理由が分からないアレンジがありすぎる。
まずアグラバーの街。アニメ版と大きく違いますし、何より城の形はかすりもしない。さっきも言った通りアラジンの衣装の色が入れ替えてあった意味も分かりません。
ジーニーとアラジンの友情の証ではありませんが、ジーニーはアラジンをアルという愛称で呼びます。ところがウィル・スミスのジーニーはアルと呼びません。
ジャスミンが街でアラジンと出会った時、「僕を信じろ」という言葉をかけるのはアニメ版と全く同じですが、アニメ版ではこれに加えてアラジンが肩から腕にリンゴを転がして肘でジャスミンにリンゴを渡すシーンがあります。アニメ版ではジャスミンがアリ王子の正体に気が付く理由の一つになる重要な仕草なのですがこれすらもありません。
そのほか細かいところでいうとアリ王子の行進でジーニーが女性に変身しているシーンがありましたが、アニメ版ではこのあと子供やヤギ(だったと思う)に変身するシーンもありました。私は女性に変身したジーニーを見た瞬間、次は子供になると思ったんですけどなりませんでした。
アラジンを水の中から救い出すシーンで潜水艦にならなかったのとかもあるよね。
あとはサルタン王のキャラ変更もショックでした。
原作ではちっさい太った愛嬌ある王ですが、2019年の実写版『アラジン』では王らしく威厳のある普通の王様でした。彼がコメディリリーフにならなかったことで再現されなかった印象的なシーンはイアーゴがクラッカー食べさせるシーン。
アニメ版の『アラジン』では嫌がるイアーゴにサルタン王がクラッカーを食べさせた復讐に、イアーゴがサルタン王に無理やりクラッカーを食べさせてるシーンがあります。このシーンも再現されませんでしたね。
それどころかイアーゴのキャラクターも大幅に変更されてしまいました。イアーゴが好きなので個人的にこれが一番残念。
イアーゴは口の悪いインコで『アラジン』続編の『アラジン ジャファーの逆襲』では改心して良い者になったりと、実は結構な見せ場があります。ところが実写版『アラジン』のイアーゴはただのインコ。あのおしゃべりで口の達者なイアーゴではなくインコのように片言で話すだけです。
またアニメ原作版と大きくと違う部分がジャスミンです。
アニメ版でもジャスミンは強い女性ですが、そこがさらに強調されています。そもそもディズニープリンセスって普通は主役(シンデレラとかアリエルとか)だけど、ジャスミンの場合は例外的にあくまでヒロイン。主役はアラジンなんですよ。
なので実写版『アラジン』のジャスミンは本来、実写版『シンデレラ』のプリンス・チャーミングぐらい引き立て役になってくれなきゃおかしい。
これまであまり深く描かれてこなかったジャスミンをしっかり掘り下げてくれたのはよかったのですがちょっと過剰にも感じましたね。んであの歌はなによ?
ジャスミンを掘り下げたことでキャラが濃いジーニーがどうも希薄に感じてしまいました。
そしてウィル・スミス版ジーニー。正直これに触れないわけにはいかない。この映画で一番ひどかった部分かと思います。
ロビン・ウィリアムズ版ジーニーと差別化することでロビン・ウィリアムズとの比較を避けるつもりだったんでしょうが、やってることは結構同じなんですよ。
キャラを変えて比較を避けてるはずなのにやってることが同じだから結局比較しちゃうわけです。ビジュアルも中途半端に変えてるからやっぱり比較しちゃう。
あとヒップホップ調アレンジみたいなのもいらないです。ウィル・スミスがラッパー出身の俳優だなんて今の若者は知らないんじゃないでしょうか。
DJ Khaledのアレンジが入ったエンディングはかっこいいのにウィル・スミスのラップは古い。
ジーニーの望みが「自由になりたい」から「人間になりたい」ってのなってたのも蛇足で後付けっぽい設定ですよね。そこで冒頭の船のシーンに繋がる訳なんですが、ジーニーの願いってそもそも自由になることだったんじゃないんでしょうか。人間の汚い部分を散々見てきたジーニーが人間になりたいってのも何だかなーって感じです。
現代の映画らしく女性のジャスミンが活躍するわけですがそこには男女平等の意図がありますし、ジーニーなんてモロに奴隷制度があった黒人を意識しています。
いつも思うんだけど夢と魔法の映画にまでそんな重たいテーマ絡めないといけませんかね。一時でも現実忘れちゃダメですかね。
それからアニメ版とほとんど同じ内容なのに、細かい部分がザクザク省略されてるのを見ると、これ撮ったガイ・リッチー監督ってアニメ版の『アラジン』がそんなに好きじゃないんだろうなーって感じます。
なんとなくアラジンへの愛が感じられないですよね。こういう風に感じる仕上がりになってしまったのは残念でした。
最後に
でも映画見る前からあまり期待していなかったので、それほどガッカリはしませんでしたね。むしろ再現度の高い部分がすっごくよく見えたのでよかったのかもしれません。
アラジンとジャスミンが絨毯で空を飛ぶ名シーンの再現はしっかりしていて最高でした。
うーん。これはBlue-rayいらないかな。