出典:アイ・アム・マザー | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
どうもでょおです。
さて今日はNetflixで配信が始まったSF映画『アイ・アム・マザー』の感想になります。
私はSF映画が好きなのでこのブログでもNetflixオリジナルのSF映画を紹介していることが多いですよね。なんとなくNetflixはこういったコンパクトなSF映画が好きな気がします。
本記事では映画『アイ・アム・マザー』のネタバレを含んでいますので未視聴の方はご注意ください。
映画『アイ・アム・マザー』のあらすじ
人類の大量絶滅後、再増殖施設内でたった一人ドロイドの母親に育てられている少女。だが、彼女の前に別の人間が現れたとき、ずっと信じてきた世界が揺らぎ始める。
Netflixにしては珍しく端的でわかりやすいあらすじ。全くこの通りの内容ですね。
舞台は人類が滅亡した世界。Netflixオリジナルドラマだと『ユピテルとイオ』や『バードボックス』もよくある設定。そんな世界に存在する施設では人類を再び復活させようと一人のロボットが一人の少女を育てています。
外の世界は汚染されていて危険だとされているので、主人公の少女は施設の中しか知りません。ロボットが施設の中に少女を閉じ込める設定はNetflixオリジナル映画『TAU / タウ』に通じるところがありますね。
そこへ謎の女性が外の世界からやってきたことで、主人公の少女はドロイドに対して疑念を抱いていくという話になっています。
映画『アイ・アム・マザー』の登場人物・キャスト
登場人物はたった3人。しかもその内の1人はロボットです。制作費も規模もちっさくとどめたようです。
娘(クララ・ルガード)
ロボットの母に育てられた娘。名前はないと思われ。再増殖施設で育った子供第一号の少女。優しい女の子ですが、外の世界の汚染が収まってるのではないかと、外の世界が気になっています。
演じるのはクララ・ルガードちゃん。ごめんなさい。存じ上げておりません。
イノセンスな感じで可愛らしい女の子ではあります。
母(ローズ・バーン)
再増殖施設で娘を育てるロボット。誰が開発して、誰の命令で再増殖施設で子供を管理しているのか謎のまま話は進んでいきます。
娘想いの母親のようですが何か謎を隠しているようです。
母の声を担当するのはローズ・バーン。X-MENのモイラですね。ちなみにモイラは『X-MEN: ダークフェニックス』には登場しないので、シリーズに見切りをつけてNetflixに乗り込んだのかもしれません。
外から来た女性(ヒラリー・スワンク)
汚染されたはずの外の世界から現れた謎の女性。娘以外の人類は、滅亡してしまったはずの世界から負傷してやってきます。
彼女はなんのために施設に来たのか、彼女はいったい誰になぜ撃たれたのか、彼女の謎が母娘に疑惑をもたらします。
謎の女性にはアカデミー賞受賞俳優のヒラリー・スワンク。さて彼女が一体どれくらいの客の呼び込みに成功するのでしょうか。
映画『アイ・アム・マザー』の感想
まあ何と言いますかNetflixオリジナル映画に限らず、最近のSF映画ってこういうなのが多いよねって感じでした。トレンドなんでしょうけど。飽きてきた感は否めません。
SF映画ではありますが内容的にはシチュエーションサスペンスといった感じになります。再増殖施設から出たい娘を説得するために母はあれやこれや嘘をついて彼女を施設にとどめておこうとします。
母に疑念を感じている娘がどのようにして施設を出るのか、施設の外には何があるのか、映画的にはこの辺りを主軸に展開していきます。
最近のSF映画によくある感じで、人類が滅亡した世界と壮大なことを言ってる割に施設の中でたった3人しか登場人物がいない低予算っぽさが拭えません。これやると内容がかなり良くないとダメだよね。
この手のSF映画は『エクス・マキナ』から始まった気がする。
『アイ・アム・マザー』の劇中の中で使われる印象的な音楽は、『ダンボ』の子守歌の曲「ベイビー・マイン」ですね。最近、実写映画が公開されたところに敢えて被せてきてる気がする。
ロボットのビジュアルはなかなかかっこよかったです。一つ目のフロントカメラが特徴的で説得力がありますね。ただ手とかを見るとかなり着ぐるみっぽいのでちょっとヘボいですね。
でも子供を育てるのに金属でできたロボットは危険だし、ぶつかったらケガするじゃん。ハグすら危険だよ。
と、冒頭からブツブツ言ってたんですが、外から来た女性のヒラリー・スワンクが母は敵だと認識するために同じデザインのドロイドにしたんですね。仕方ないか。
あとは追跡装置がデカすぎてワロタ。あんなデッケー追跡装置が映画に出てくるのなんて90年代までじゃないのか。
映画のオチまでネタバレしてしまうのですが、なんだかいろんな部分が破綻してしまってる気がします。
マザーは他のドロイドとシンクロしているため、マザーは死んでも死なないってことなんですよね。その証拠にヒラリー・スワンクの元に最後マザーが訪れました。
マザーが死なないので娘が銃で撃って破壊したあとの泣いてるシーンもピンとこないわけですよ。だって表にマザーいっぱいいるのに何を悲しんでんだと。
マザーも生きているので再増殖施設を取り返そうとすれば取り返せるのに自分から死を望んでも意味ないじゃんって感じになる訳です。
なのに母はどうして再増殖に介入しないのか、という所がこの映画のラスト、オチの部分になってる。
冒頭のシーンで人類が滅亡してからかなりの時間が経っていることがわかります。また娘の「もし弟が完璧じゃなかったら」という言葉からもわかる通り、たぶん娘は施設で誕生した子供の第一号ではありません。
マザーはこれまで何度も子供を育ててきたものと思われます。そして失敗作は焼却。そして映画に登場したあの娘が施設で育った子供で唯一成功した子供です。母が「私が育てたからあなたは成功」みたいなことを言ってたはず。
つまりラストのオチの解釈としては、マザーは初めて子育てに成功した娘に自身の役割を受け継がせることにしたものと思われます。この娘なら他の子を育てても大丈夫だろうと。
テストにも合格し、家出してもちゃんと帰ってきた娘なら、弟や他の胎児たちを育てられる能力があるだろうと判断したものと思われます。マザーの目的は「再増殖施設でたくさんの胎児の母になる」のではなく「再増殖施設でたくさんの胎児の母になる人を育てる」ことだったのかと。
最後に母が「外から来た女性」の元を訪れるシーンがありました。多分あの後、彼女は母によって殺されてしまいます。この女性は恐らく母の失敗作の一人。母は完璧な人間のみが存在する人類を作ろうとしていたので、かつての失敗作を排除してしまえば残りは完璧な人間だけになるということですね。
この映画の深いテーマになっているのは「人工知能は母になれるのか」というところです。もしかするとなれるかもしれません。でもそれは人間が母になるよりも難しいことです。
マザーは娘が自分よりも優れた母になれると思った通り、人間の母は人間の母である方がいいんですね。
タイトルの「アイ・アム・マザー」の"マザー"も母ではなく娘のことを差しているのかもしれません。
最後に
いかがだったでしょうか。高い期待を背をって誕生した映画『アイ・アム・マザー』ですが、イマイチぱっとしない映画でしたね。
ディズニー+がジリジリと動画配信業界に歩みを進めてる今、Netflixはもっと面白い映画を配信していく必要がありますね。
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