どうもでょおです。
さてさて本年度の賞レース有力候補と言われている映画『アイリッシュマン』がNetflixにてようやく配信されましたね。マフィア映画やギャング映画の男気溢れる世界にはいつまで経っても憧れちゃうよね。
本作はアメリカに実在したマフィアさながらの権力者ジミー・ホッファとブファリーノ・ファミリーの殺し屋フランク・シーラン(アイリッシュマン) の人生を描いた実話ベースの話です。
やはり注目はマーティン・スコセッシ監督、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ぺシがタッグを組むというですね。
まあ結論から言うと、
上映時間がめっちゃ長いです。最近って長い映画多すぎない?
この記事は映画『アイリッシュマン』のネタバレを含んでいます。未視聴の方はご注意ください。
- Netflix映画『アイリッシュマン』のあらすじ
- そもそもギャング映画とマフィア映画って違いはなに?
- Netflix映画『アイリッシュマン』のキャスト・登場人物
- Netflix映画『アイリッシュマン』の感想
- 最後に
Netflix映画『アイリッシュマン』のあらすじ
裏社会のボスに長年仕えてきた殺し屋フランクが、秘密と暴力にまみれた自らの半生を振り返る。マーティン・スコセッシ監督が贈る、ギャング映画の新たな傑作。
以上、Netflixによるあらすじです。
年寄りになった元マフィアの殺し屋フランク・シーランが過去を回想する形で物語が展開します。
元々トラックの運転手だったフランクがひょんなことからマフィアのボス、ラッセルに好かれてマフィアの殺し屋として働いていきます。
その中でアメリカ大統領の次に力がある男ジミー・ホッファに出会い、転落していく彼と一生を共にしていきます。
そもそもギャング映画とマフィア映画って違いはなに?
意外とごっちゃになってる人多いよね?ギャングとマフィアって呼び方が違うんじゃなくて、明確に違います。
基本的にマフィアはイタリアシシリー出身の犯罪組織のことを言います。まさに『ゴッドファーザー』の映画的な感じですね。
なのでシチリアに起源のないメキシカンギャングとかはマフィアとは呼ばないのです。
だから世界一有名な暗黒街の顔アル・カポネもシシリー出身じゃないので正確に言うとマフィアじゃないというね。架空の人物だけどキューバン移民のトニー・モンタナもマフィアじゃないよね。
スカーフェイス (字幕版)
↑野郎の永遠の憧れトニー・モンタナ
一方でギャングは犯罪組織や暴力団のことを指すので、日本のヤクザもギャングに当たるのかと。
ただ「ギャング=ガキンチョ」的なストリートギャングのイメージで使われることが多いので、シシリー出身じゃなくてもマフィアと呼ばれることがあります。イタリアンマフィアとかアイリッシュマフィアとか、頭に出身が付いてるけど。英語だと本当はモブって呼び方が適切なのかと。
なのでギャング映画は数あれど純マフィア映画って意外とそれほど多くない。といってもサブキャラでマフィアが出てきたりするんだけど。
Netflix映画『アイリッシュマン』のキャスト・登場人物
フランク・シーラン/ジ・アイリッシュマン(ロバート・デ・ニーロ)
元々はトラック運転手。トラックが壊れてガススタで修理しようとしてたら、たまたま通りかかったマフィアのボス修理してくれたことがきっかけでマフィアの殺し屋になった激レアさん。
殺し屋というか便利屋というか。
その一環で「大統領の次に力がある男」ジミー・ホッファの面倒を見ることになります。その中でどんどん仲良くなって親友になっちゃうんですね。
念のため解説するとアイリッシュマンは「アイルランド人」の意味ですね。ジャパニーズマン的な?
演じるのはロバート・デ・ニーロですね。マーティン・スコセッシとタッグを組むのは何回目?数えるのだるいのでやめときます。
『ゴッドファーザー PART II』で若い版マーロン・ブランドのヴィト・コルレオーネを演じたところからキャリアがスタートしたと言っても過言ではない俳優です。つまり長い俳優人生でギャングやマフィアめっちゃやってて本作がある意味その集大成になるのかと。
なんつーか老けないよね。80年代ぐらいからずっと同じ顔してる。逆に言うと80年代から老けてるってことか。
ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)
全米トラック運転組合の一番偉い人。トラック組合というとヘボそうなんだけど、アメリカの物流網を全て握ってる男なので当時のアメリカにおいては大統領の次に権力がある男だそう。
短気でアイス好きなおっさん。毎日アイス食ってる私の20年後の姿か。
ちなみにジョーカーの名優ジャック・ニコルソンが『ホッファ』という映画で同役を演じてますね。ちなみに監督兼共演はペンギンのダニー・デヴィート。
本作『アイリッシュマン』でそんなジミー・ホッファを演じるのはアル・パチーノ。
『ゴッドファーザー』のマイケルでお馴染みのシシリー系俳優のアル・パチーノをわざわざ起用しておいてマフィア役はやらせないという…。やっぱアル・パチーノにはマフィアのボスやってほしいじゃん?さらに劇中でイタリア人ディスってるし。
デ・ニーロとアル・パチーノをくっつけたいのはわからんでもないけど。
ラッセル・ブファリーノ(ジョー・ペシ)
これまたマフィア役を演じる俳優として有名なジョー・ペシがキャスティング。なんか久しぶりに見たけどめっちゃおじいちゃんになってたわ。
マーティン・スコセッシ監督の『グッド・フェローズ』『カジノ』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』などでやってますよね。
ジョー・ペシといえば暴力的でブチギレるヤバいヤツって感じのイメージがありますが、『アイリッシュマン』のジョー・ペシは温厚で大人なドンですね。
そういやマフィア映画って本当に同じ俳優ばっかで回してるけど、次世代になるとどうなんすかね。監督含めみんなおじいちゃんになっちゃったよ。
その他のキャスト
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシの三大巨頭の影になるのか全く騒がれてないけどハーヴェイ・カイテルも出てるよー。マフィアのドン、アンジェロ・ブルーノ役。
出番は少なめ。ハーヴェイ・カイテルって誰かの影に隠れちゃうキャスティングされること多いよね。
出典:アイリッシュマン | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
↑全く騒がれないハーヴェイ・カイテルのドン
その他にはアンナ・パキンがデ・ニーロの娘役で出演しています。子役出身で『X-NEN』シリーズや『トゥルー・ブラッド』に出演していたアンナ・パキンもすっかりおばちゃんになってます。
と思ったらまだこれで30代後半なんですね…。正直もっと歳食って見えたよ。よっぽど苦労してんでしょうか。
あとマット・デイモンに全然似ていないのにそっくり俳優として知られているジェシー・プレモンスも出演していましたね。あとは『アントマン』シリーズのボビー・カナヴェイルとかも出てる。
Netflix映画『アイリッシュマン』の感想
『アイリッシュマン』上映時間長すぎ問題
まずさぁ、なげーよ。
とにかくめっちゃ長いです。上映時間なんと3時間29分の超大作。
マーティン・スコセッシ×ロバート・デ・ニーロだから『グッドフェローズ』とか『ディパーテッド』みたいな作品を連想してたんですが全然違いましたね。
『グッドフェローズ』はスピード感があってロックなBGMが流れて、アドレナリン全開な映画って感じだったんですが、『アイリッシュマン』はぶっちゃけトロいしテンポが悪い。同じく3時間超えの『アベンジャーズ エンドゲーム』なんかとは違って超スローペース。お陰でめっちゃ長いし、その長さが強調されちゃってる。
Netflixに先駆けて一部劇場でも公開されたみたいですが、行かなくて正解でした。これ映画館で見るのはさすがにキツイわ。何回も寝そうになったし。
『グッドフェローズ』や『スカーフェイス』のような派手めなギャング映画が好きな方には向いてないかもしれません。
どっちかっていうと『ゴッドファーザー』並みのスローペースですが、映画の中身自体は実はギャング映画とちょっと違うんですよね。
ギャング映画<ヒューマン映画
まあぶっちゃけ見る前は「まーたギャング映画だよ」と、似たり寄ったりな作品になるんだろうなと思ってたんですよね。
でも見て見るとやっぱり結構違う。『グッドフェローズ』みたいでもないし『ゴッドファーザー』みたいでもないし、ましてや『スカーフェイス』とも違う。
なんていうかマフィアというテーマを題材にしているだけで中身は比較的ヒューマン映画みたいな感じ。
そもそもこれまでのマフィア映画、ギャング映画って暴力描写が多いってのが普通だと思うんだけどその辺も控えめかなと。やっぱりみんな老人だからボコボコ殴ったりする演技もやりづらいのかも。
マフィアの命令でこれまではサクサク人を始末してきたアイリッシュマンことシーランは、罪悪感もなくビジネスとして殺し屋をやってきてました。怖いけどターゲットは自分の身近な人間ではないので割り切ってる感じですね。
ところが最後の最後、一番の親友とも呼べるホッファの殺害を指示されてしまいます。言っちゃ悪いんだけどホッファがとんでもなくメンドクサいヤツなんですよね。すぐキレるしプライド高いし、そのくせアイス大好きとかギャップ可愛すぎるだろっ。
フランクはホッファを助けたいんだけど、殺しを命じるラッセルのことも大好きな訳ですし、辛すぎる三角関係なわけですよ。
なんていうか「遺族のことは知らない、一家族除いては。」と言ってた一言にすべて集約されてますね。
感覚的、感情的には『フェイク』が比較的近い気がします。内容は全然ちゃうけど。
若返りはやめよーぜ
何気にこの映画『アイリッシュマン』の見どころの一つが特殊技術で若返りを果たしたデ・ニーロ。
でもデ・ニーロが若いフランク・シーランを演じるのはさすがにちょっと無理があって笑ってしまいました。外側しか若返ってねぇ!若いのに足取りおぼつかなくて、フラフラしてて若さを全く感じない。序盤の方で娘を小突いた男をフランクがボッコボコにしたシーンなんてもう笑うしかないよね。ヘナちょこ過ぎてむしろデ・ニーロの方を心配したくなる感じ。
半分笑かしにかかってんのかとネタに思いました。
『キャプテン・マーベル』でサミュエル・L・ジャクソンが25歳ほど若返って成功しましたが、デ・ニーロもう76歳だからね。若返っても50が限界でしょう。
正直ここは誰か注目株の若手俳優に演じさせてほしかったですね。『ゴッドファーザー PART II』のデ・ニーロと同じように、マフィアの若者時代を演じてヒットする俳優が出てくるきっかけになったかもしれないのにねとちょっと残念に思います。
どこまでが実話?
うーん。そうなんですよね。
個人的にはオチがちょっと気になりました。というのもフランクがホッファを殺害した実行犯であるということを誰にも言ってないんですよね。『アメリカン・ギャングスター』とかはフランク・ルーカスが逮捕されて、捜査協力をしたりする形で終わってるじゃないですか。
アイリッシュマンはどのタイミングでこれまでの出来事全てを公表したの?って感じなんですよね。冒頭とかに差し込まれたインタビュー風のシーンはどこから来たの?
たしかに懺悔してるシーンや娘との会話の中から、ホッファ殺害を告白しそうな感じはあったんだけど。
デ・ニーロ×パチーノの当たりハズレ
本作『アイリッシュマン』はデ・ニーロとアル・パチーノの共演作としては大成功ですね。
この二人はマイケル・マン監督の『ヒート』という神映画で共演しているのでご存知かと思います。追う者と追われる者の対照的な二人の間にリスペクトが生まれる最高に興奮する映画です。
『ヒート』では敵対する者同士で共演した二人ですが、このあとに『ボーダー』という映画やってるんですよね。こっちはデ・ニーロとアル・パチーノが同僚の設定です。
まあこの映画『ボーダー』がとんでもないゴミ映画でして、よくもまあ二人が共演してくれたもんだと。むしろ別の俳優がやってたら見るも無残な映画になってたと思います。
そして今回の『アイリッシュマン』ですよ。『ボーダー』の時と同じようにデ・ニーロとパチーノを友人関係にしつつ、名誉挽回できる名作でしたね。
よかったよかった。汚名返上です。
最後に
いかがだったでしょうか。なんていうかホント長かったね。
不要なシーンがあるとは言えないけどバカみたいに長いし、若返ってるシーンはちょっと無理があったけど、全てまとめると二人の男の間に挟まれた男の三角関係的な話でした。
このブログでは他にもたくさん映画の感想を書いているので興味のある方は合わせてご覧ください。
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