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ネタバレ感想【ドクタースリープ】怖くないホラー、むしろスターウォーズだわ

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映画『ドクター・スリープ』のポスター

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

 

どうもでょおです。

映画『ドクター・スリープ』が公開されましたね。今月はまさかのスティーヴン・キング原作映画2本目になります。スティーヴン・キング原作の映画ってめっちゃたくさんあるから以前こんな記事を書いたほどです。

【スティーヴンキング原作映画 一覧】全59作品にランキングつけたった

 

言うまでもありませんが本作はスタンリー・キューブリックが描いた『シャイニング』の続編に当たる映画ですね。今日はこの映画『ドクター・スリープ』の感想を書こうじゃないかと思います。

 

で、肝心の感想なんですがこれはとにかく意見が別れる映画じゃないかと思いますね。

何て言うかなー。キング原作の『シャイニング』が好きかキューブリック監督版『シャイニング』が好きかってところで感じ方が割れると思います。

 

この感想は映画『ドクター・スリープ』『シャイニング』のネタバレを含んでいます。未視聴の方は自己責任で。

 

 

映画『ドクター・スリープ』のあらすじ

雪山のホテルでの惨劇を生き残り大人へと成長したダニーを主人公に、新たな恐怖を描く。40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。その力で事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、その中で40年前の惨劇が起きたホテルへとたどり着く。

出典:ドクター・スリープ : 作品情報 - 映画.com

 

映画『シャイニング』で起きたオーバールックホテル(展望ホテル)の冬の日から後、ダニーは母のウェンディと一緒に元の暮らしを始めようとするのですが、ダニーの力を狙ったホテルの幽霊が彼の跡を追ってきます。ダニーはハロランの力を借りて幽霊たちを退治、それから40年後が映画の舞台となっています。

幽霊たちを退治することに成功したダニーですが、父親のジャック・トランスと同様に酒のトラブルを抱えています。一念発起し生まれ変わろうとしたのですが、そこで自分と同じ能力(シャイニング)を持った少女アブラと出会います。

ダニーが40年前オーバールックホテルで起きた出来事の裏側で、ローズ・ザ・ハットと言う女性を中心としたシャイニング集団が、同じくシャイニングを持った少年少女を狙っていました。

ダニー改めダンとアブラは自分たちを狙うローズ・ザ・ハット達と対峙していきます。

 

映画『ドクター・スリープ』のキャスト・登場人物

以下、メインキャスト・登場人物の紹介解説です。

ダニー・トランス(ユアン・マクレガー)

ダニー・トランス(ユアン・マクレガー)

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

前作『シャイニング』で子供だったダニー。父親ジャックを迷路で出し抜いて母のウェンディとホテルを脱出してから40年。子供っぽいダニーじゃなくて今はダンね。ジャック同様にアルコールの問題を抱えて自堕落的に生きています。

幽霊を退治して、母ウェンディはダニーが20歳まで存命だったみたいですが、やっぱり過去のことがトラウマになっているんですね。無口で気味悪い男の子だったのに普通のおっちゃんになってるけど。

大人になったダニーを演じるのは大人になったクリストファー・ロビンのユアン・マクレガー。

ユアン・マクレガーって何にでも出てて誰でも知ってる俳優なのにイマイチぱっとしない気がするのはなんでなんでしょう。なんでここまで人気があるのかもよくわからん。

 

ローズ・ザ・ハット(レベッカ・ファーガソン)

ローズ・ザ・ハット(レベッカ・ファーガソン)

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

謎の新キャラローズ・ザ・ハットです。スターウォーズのナメクジお化けみたいな名前ですが。

ローズはダニーやアブラと一緒でシャイニングの持ち主なんですが、その力を悪用して他の人のシャイニングを喰って長生きしてます。

ローズを演じるのはレベッカ・ファーガソン。めちゃめちゃ美人だけどクセがあるからか『メン・イン・ブラック:インターナショナル』に引き続き、変人っぽい役にキャスティングされています。

『ドクター・スリープ』のレベッカ・ファーガソンはいつになく美しかったのでメロメロになりました。ワイにシャイニングがあったらぜひ食ってください。

 

アブラ・ストーン(カイリー・カラン)

アブラ・ストーン(カイリー・カラン)

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

ダニーのようにシャイニングを持つ少女。ダニーやローズとは比較にならないほど強力な力を持っています。

はじめはダニーとはただの超能力ペンパルな関係だったんですが、彼女がローズの犯行現場を目撃してダニーに泣きつく形ですね。

 

ビリー・フリーマン(クリフ・カーティス)

ビリー・フリーマン(クリフ・カーティス)

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

心機一転、田舎で生まれ変わろうとするダニーを支えてくれる友人。シャイニングを持たない一般人ですが、ダニーのようにかつてアル中だった過去があったりとよき理解者。

ディック・ハロラン(カール・ランブリー)

ディック・ハロラン(カール・ランブリー)

(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
 

まさかのハロランも再登場します。ダニーのことを先生と呼んでた黒人のおっちゃんね。ホテルでダニーとアイス食べてた人。『シャイニング』後半で除雪機持ってきた以外に何も活躍しなかった超能力者。

本作『ドクター・スリープ』では幽霊になって現れ導く師匠みたいになってます。

『シャイニング』と違ってキャラ改変して無駄にシリアスだけど結構似ています。

 

映画『ドクター・スリープ』の感想

前作『シャイニング』で分からなかった部分を穴埋めする映画

スタンリー・キューブリックってそもそも難解な映画を難解に撮る映画監督として知られていますよね。『2001年宇宙の旅』とか原作小説読んだり考察読まないと絶対にオチを理解できないでしょ?

そんなキューブリック作品というだけあって映画『シャイニング』にもたくさんの謎が残されていました。というか不明瞭にしてホラーに全振りしてただけって感じですね。

例えば意味不明な血のエレベーターとか237号室の客とか。

この続編『ドクター・スリープ』でもそのあたりは謎のままなんですよね。ただオーバールックホテルの目的やダニーのシャイニングについての謎などが深く掘り下げられる形になっています。 

でもこれを良しとするかどうかってことでこの映画の好き嫌いが別れます。やっぱり謎は謎のままにしておいた方がいいんじゃないの?と。神秘性が失われて陳腐になるじゃんと。

『シャイニング』はシャイニングのままにしておいてほしかったって人からすると本作はつまらないクソ映画なのかもしれません。

とはいえ「オーバールックホテルはインディアン墓地に建てたから呪われてるのか」とか「ジャック・トランスは何度もホテルで惨劇を繰り返してきた男の生まれ変わりなのか」とか映画『シャイニング』を語る上で欠かせない解明する必要のない謎を、そのままにしてくれたのは高く評価したいです。

『ブレードランナー2049』と一緒ですね。デッカードがレプリカントなのかどうかを明言しなかったのと同じ。

 

でも最近流行りの続編映画と同じで本作も二次創作的な作品だと思っておくことにします。良くできた『シャイニング』の非公式続編って感じ。

上から目線でおこがましさハンパないけど良くできてるのは間違いないです。キング節炸裂しながらもキューブリック版『シャイニング』へのオマージュもたくさんあるんだもん。

 

全編通してオマージュだらけ

本作『ドクター・スリープ』は『シャイニング』の二次創作的な映画のようです。

中身はいかにもなスティーヴン・キング作品だけど見た目や雰囲気は『シャイニング』っぽいです。全編通して『シャイニング』へのオマージュが凄いです。

特に冒頭のホテルのシーン、『シャイニング』の出来事を再現してるシーンは本当にそっくりですよね。完全に映像を使いまわしてるのかとも思ったんだけど、ダニー役の子が違ったのでちゃんと再現しているのかと思います。

あとは『シャイニング』の冒頭にある空撮シーンを再現しているところもヤバいですね。夜になってるけど本当にそっくりそのままって感じでした。

特徴的な音楽に始まり、バーでの飲酒シーンや迷路はもちろんコロラドラウンジの階段で追い詰められながら斧を振り回してるシーン(シャイニングの時はバットだったけど)とかオマージュたくさん。

その他にもダニーが斧を持って足を引きずりながらアブラを追いかけるシーンとかオマージュがたくさんあるんだけど、その最たるがジャック・トランスを引っ張り出してきたところじゃないでしょうか。

やっぱりジャック・ニコルソンほどの怖さや表情はないし、声も全然違うけど頑張って寄せてたよね。演じてるのはかつて『E.T.』でエリオットを演じたヘンリー・トーマスという俳優ですがあんまり似てないので特殊メイクでしょうか。

 

『ドクター・スリープ』は怖くない。つまらないかも…

冒頭でも書いたように本作が賛否両論な理由ですが原作シャイニング派かキューブリック版シャイニング派かってところで意見が割れます。

というのも本作『ドクター・スリープ』はキング節全開だからです。

キング本人がキューブリック版映画を酷評したのは有名な話だけど、今回はキューブリックが亡くなってるのでキングのやりたい放題な訳ですね。

スティーヴン・キングってモダンホラーの巨匠とか言われてるけど、実はホラー以上にSFが好きだと思うんですよ。スティーヴン・キングの小説って超能力や政府の陰謀論、先住民の呪いとかがたくさん出てきます。

キングのライフワークともいえる一番の代表作「ダークタワー」だってホラー小説ではなくファンタジーです。

だから本作『ドクター・スリープ』はぶっちゃけそれほど怖くないんです。先日公開された『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』の方が間違いなく怖いです。

呪いのホテルを巡るホラー映画ではなく、スティーヴン・キングが大好きな超能力合戦的なゴシックスーパーヒーロー映画崩れっぽい映画になってます。

なのではっきり言ってこれはホラー映画ではありません。だからいかにもなホラー映画を期待していた層にはつまらないかもしれません。私は好きだけど。

 

もはやこれはキング版スターウォーズだ

本当にそんな感じでちょっと笑っちゃうぐらいでした。ディック・ハロランというクワイ=ガン・ジンを師に持つユアン・マクレガーがパダワンのアブラを育てる話。しかも師匠が霊体になって現れるってモロにスター・ウォーズやん。シャイニングという名のフォースも使えるしさ。

クワイ=ガン・ジンより弟子のオビ=ワンが強くて、オビ=ワンよりアナキンが強いのも同じだよね。「ハロラン<ダニー<アブラ」の関係性と全く一緒。アブラのミディクロリアンがすごい量だから続編でアブラが闇堕ちするんですねハイわかります。

 

オチの結末を考察

詳しくは知らないんですが確かキューブリック版『シャイニング』も本当の結末はホテルの爆破で終わる予定だったそうなんですよね。(その後カットされたとか)

結局『シャイニング』のオチは殺されたハロランが乗って来た除雪機にウェンディとダニーが乗って逃げるってものでした。つまり『ドクター・スリープ』のオチはカットされる前の『シャイニング』の結末をトレースしたものになっています。

『ドクター・スリープ2』として続編が作られるかどうかは知りませんが、もしあるとするならあの結末から発展させるんでしょうね。

 

40年前にダニーのシャイニングを狙ったオーバールックホテルの幽霊を箱の中から解放したことで、ダニーより強力なシャイニングを持ったローズは喰われてしまいました。その後ダニーはアブラを救い、オーバールックホテルを爆破。

全てが終わったように見えますが、アブラの元には237号室の幽霊が訪れており、ダニーがかつてしたように箱の中に封印しました。

この結末から考察するに、オーバールックホテルは爆破されたけど幽霊たちは生きてるんですよね。(幽霊だから死んでるんだけど)

つまりアブラの元にホテル幽霊が次々現れるという続編が考察できます。

またローズは自分が最後の一人ではないと言っていたので、シャイニングを狙う悪い者たちが他にもいて、彼らと戦うという続編があるかもしれませんね。

 

若干文句言いたいところ

基本的にスティーヴン・キング原作の映画は好きですし、キューブリック版よりドラマ版『シャイニング』の内容が好きなので、『ドクター・スリープ』は面白かったんですが少しばかり気になった点を。

まずオーバールックホテルが廃業しているというところ。

「父親がイカれて妻と息子を殺そうとする事件があったから廃業した」ってのも理解できなくはないんですが、トランス一家がホテルを管理していたよりも10年前にグレイディが一家を惨殺した事件だってあったんだから営業続けてそうだと思うんだけど。

建てられたのがたしか1907年って言ってたので、それまでに色んな事件があったはず。237号室の女性だって多分バスタブで死んでいたのかと思います。

イマドキAirbnbとかもあるのでホテル廃業はなんら不思議じゃないんだけど、その説明があってもよかったんじゃないかと思いますね。

 

もう一個気になるのが、犬の着ぐるみのやつね。

『シャイニング』に出てきた幽霊の中では双子の次に印象的だと思うんよ。バーテンのロイドや一家を虐殺したグレイディとかも重要なキャラクターなんだけど、一番怖かったのって個人的にはあのシーンなんですよね。

一番強烈だしトラウマになるでしょあんなもん。犬の着ぐるみ着たやつとタキシード男がいかがわしいことしてるシーンなんて。

その犬男が『ドクター・スリープ』に出てこなかったのがちょっと残念でした。双子もエレベーターも、廊下にいるグラス持った男も出てくるのになんでなんだろうね。

 

最後に

いかがだったでしょうか。

いや面白かったですよ。面白かったし、スティーヴン・キングのファンとしてはとても楽しめる映画だったんだけど、やっぱりそろそろ続編ブームやリブートブームはやめてほしいかなと。

アクション映画とかならまだしも、映画史における転換点的な作品までもをフランチャイズ化しなくてもいいんじゃんと思ってしまいました。この手のブームまだまだ続くのかね。

映画自体は十分に満足したんだけどなんていうかねー。

 

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