出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
どうも映画系ブロガーのでょお(@dyoblog_)です。
みんなはミュージカル映画好きー?私は昔嫌いだったんだんよね。突然歌い出したり、突然踊り出したりバカじゃねーのと思ってました。
でも年取ってから(still 20代)は結構好きなんですよね。レミゼとかシリアス系は微妙だけど『グリース』みたいなコメディ系は特に好きです。そもそもディズニーアニメ好きだし。
今日はそんなわけでミュージカル映画の感想になります。そのミュージカル映画がこちら。
Netflixオリジナル映画『ザ・プロム』
メリル・ストリープやニコール・キッドマン、ジェームズ・コーデンなどの歌える豪華俳優が共演した注目作でございます。
この記事は映画『ザ・プロム』のネタバレ感想を含んでいます。
映画『ザ・プロム』の評価と概要
- 監督:ライアン・マーフィー
- 原題:The Prom
- 製作:2020年 アメリカ
5.2
63
80
現時点でIMDbの評価が5.2、Rotten Tomatoesの評論家の評価が63%、観客の評価が80点です。
監督は『glee / グリー』のライアン・マーフィー。最近『glee / グリー』全シーズン見直したのでもはやグリオタ化した私の感想に死角なしです()
一部の劇場では1週間前から劇場で公開をしてるそうなので、映画館で観たい人はそっちで観た方がよいかもです。私はちょっとでも節約…。
映画『ザ・プロム』のあらすじ
インディアナ州の田舎町で、同性の恋人とプロムに行きたい女子高生を応援するために、落ち目のブロードウェイスターたちが町に乗り込んでくる。
トニー賞に2度輝いたブロードウェイスターやブロードウェイのコーラスガールなど、ブロードウェイで落ち目になった4人の俳優。
政治的活動を行うことで人気を取り戻そうと目を付けたのが、片田舎で辛い目にあっているゲイの少女。
彼女を助けて再び人気を獲得しようと街にやって来た彼らは、そこでもっと大切なことに気付いていく。
…的なあらすじ。ちょっとカッコつけて書いてみた。
映画『ザ・プロム』の登場人物とキャスト
以下、『ザ・プロム』に出演するキャストと演じる登場人物のまとめです。
ディーディー・アレン(メリル・ストリープ)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
トニー賞を2度獲得した大女優ですが、自他ともに認める傲慢で自己中な性格が災いして人気がガタ落ち。
鳴り物入りで始まるはずの舞台が、酷評され1日で打ち切り。再び人気を取り戻そうとしてインディアナに住むゲイの少女エマに目をつけます。
演じるのはメリル・ストリープ。Netflixだと『ザ・ランドロマット -パナマ文書流出-』なんかのオリジナル作品にも出演しています。
顔はいつまでも若々しいんだけど、やっぱり足取り見ると大分おばあちゃんになった感じがありますね…。
バリー・グッドマン(ジェームズ・コーデン)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
ディーディーと違い今一つ売れない舞台俳優。ゲイだったことにより子どもの頃プロムに行けなかったことや、母親に受け入れてもらえず家を出たという苦い思い出があります。
こちらもミュージカル映画ではもはや定番すぎるキャスティングのジェームズ・コーデン。
『キャッツ』や『イントゥ・ザ・ウッズ』なんかに出演してましたね。後者ではメリル・ストリープと共演していますし。
アンジー(ニコール・キッドマン)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
ブロードウェイで長年主役が回ってこないコーラスガール。
キャストには『ムーラン・ルージュ』なんかでミュージカルをやってるニコール・キッドマン。この映画で一番の発見はニコール・キッドマンが未だに可愛すぎるってこと。
めっちゃ可愛いのに意外と役割少な目だったのでちょっとショックでした…。
トレント(アンドリュー・ラネルズ)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
舞台俳優を育成する学校の代名詞、ジュリアード音楽院出身なのが自慢。
舞台俳優として成功することが出来ず、陳腐なテレビコメディに出演。バーテンダーのアルバイトもやってます。
トレントとアンジーはディーディーとバリーに比べると掘り下げ浅いというか、悩みがイマイチ伝わらん感じがあります。
演じるのはトニー賞にノミニーされたこともあるアンドリュー・ラネルズ。有名な出演作としては『マイ・インターン』とか。
同じくライアン・マーフィー×Netflixの『ボーイズ・イン・ザ・バンド』にも出演してるのでついこないだも見かけた感じです。
エマ・ノーラン(ジョー・エレン・ペルマン)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
インディアナに住むゲイの少女。
LGBTQが受け入れられつつあるアメリカと言えど閉鎖的な田舎町で同性愛者は受け入れられず、彼女がプロムに参加したいがためにプロムそのものが中止になると言う大混乱に。
ブロードウェイのキャラ陣が濃厚すぎてストーリーの中心人物なのにキャラの印象が絶望的に薄いのが難点…。
キャストには新人俳優のジョー・エレン・ぺルマン。なんだか少女版エリザベス・モスって感じに似てると思って観てました。…似てない?
トム(キーガン=マイケル・キー)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
校長先生。エマがプロムに行けないのは人権侵害だとして知事にも掛け合ってくれるいい人。
ミュージカルのが大好きでディーディーの昔からの大ファン。
キャストにはキーガン=マイケル・キー。コメディ俳優のイメージが強かったけど、Netflix映画に引っ張りだこで『ジングル・ジャングル』や『最高に素晴らしいこと』、『ルディ・レイ・ムーア』なんかにも出演しています。
ミセス・グリーン(ケリー・ワシントン)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
ゲイがプロムに参加することを認めることが出来ないとして、プロムそのものを中止にしたPTAの会長。
この映画における悪役。とはいえこの映画に登場するインディアナの町の人々を代弁する人間なので悪の権化というより、みんなこれぐらい悪いヤツって感じなんよ。
演じるのは本作『ザ・プロム』でベストアクトなケリー・ワシントン。神経質で偏見に満ち溢れたイヤなキャラを熱演しております。
ちょっとお痩せになったのか不健康そうな感じが一層悪者っぽい。
同じくNetflixオリジナルで舞台を映画化した『アメリカの息子』では、『ザ・プロム』とは真逆に迫害される黒人女性を演じてました。
アリッサ・グリーン(アリアナ・デボース)
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
エマの彼女。エマとは違いカミングアウトしてないし、チアリーダーもやってるし勉強もできるスクールカースト上位。
エマがあまりに痛々しいのでカミングアウトしたげてよっと思っちゃうんだけど、彼女の母親はPTA会長だということもあり普通よりもさらにプレッシャーが強いという構図。
映画『ザ・プロム』の感想 ※ネタバレあり
という訳でここからようやく『ザ・プロム』の感想です。
IMDbのポイントが5点台と絶望的だったので期待せずに観たんですが私は十分好きでした!
現実でここまで厳しい学校あるんか?
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
第一声に思ったのがこれよね。
私は日本人なのでプロムに行ったことないので知りませんが、プロムってそもそも相手がいなくても行けるイメージあるじゃないですか。
相手がいない者同士で踊ってるのとか映画で見るじゃん。なんなら仕方なし友達同士で踊ったりしてそうだし。
だから同性愛者がいるからといって中止にするほどのもんでもないイメージなんですよね…。
とはいえ映画なのでそこまで厳しくやらないと話になんないんだけどさ。
というか校長先生ではなくPTAがプロム中止の権限を持ってるというのは現実的にあるの?
これは "ほぼgleeのスピンオフ"
glee/グリー シーズン1 <seasonsコンパクト・ボックス> [DVD]</seasonsコンパクト・ボックス>
記事の頭の方で書いたけど、私『glee / グリー』を比較的最近全話観たんですよね。
なので余計に思っちゃうんだけど、本作『ザ・プロム』はもはや『glee / グリー』のスピンオフみたいなものにしか思えませんでした。グリークラブは登場しないんだけど、設定を入れ替えただけでテーマはまるまるgleeじゃない?
『glee / グリー』は、学校ではみ出し者たちがグリークラブ(合唱部)を通して成長していく学園ミュージカルコメディです。
本作『ザ・プロム』を監督したライアン・マーフィーの脚本、製作総指揮で製作された人気ドラマでした。
んでもってこの『glee / グリー』と『ザ・プロム』の共通点がかなりある。
- ミュージカルコメディ
- LGBTQがテーマのひとつ
- 主人公はイジメられる
- 舞台がインディアナとオハイオ
- バリーのキャラがほぼカート
- ショッピングモールのシーンが酷似
- けっきょく誰も悪者がいない
- 世界は変えられるという甘い現実
- 改心するチアリーダー
- アリッサ役がリア・ミシェルに似てない?
正直、まだまだ出てきそうなんだけどザックリ分かりやすいのをまとめるとこんな感じ。
一つ一つ掘り下げて解説していきます。
両方ともミュージカルコメディ
まず本作『ザ・プロム』と『glee / グリー』は両方ともミュージカルコメディなのは言うまでもありません。
『ザ・プロム』は舞台が元の映画なので、舞台っぽい曲が多いのに対して『glee / グリー』はポップソングを合唱部風にアレンジしてるのは違いますが、大きなくくりとしては同じ。
LGBTQがテーマのひとつ
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
続いて『ザ・プロム』も『glee / グリー』も両方ともLGBTQがテーマのひとつになっています。
これに関してはそもそもライアン・マーフィーがゲイなので、彼の書く脚本には大体同性愛者が登場します。
というかむしろ同性愛者がテーマになってるからこそライアン・マーフィーにオファーが行くという逆のパターンかも。
主人公はイジメられる
これね。
「ただ学校で浮いてるヤツ」ではなく、イジメられてるヤツが主人公です。『glee / グリー』に至ってはメインキャラほぼ全員イジメられてるけどね…。
んでもってグリークラブに入ることでイジメっ子もイジメられっ子になるという…。どんだけイジメられっ子主役にしたいねん。
舞台がインディアナとオハイオ
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
一言で言うとアメリカの田舎ね。
さらにつけくわえるとインディアナ州とオハイオ州って隣の州なんですよね。さらにバリーの出身地はオハイオという。これもしオハイオのライマだったらシェアドユニバースでしょ。
オリジナル脚本ではないのでそれは流石にないだろうけど、同じような土地なので全体的に世界観が似てるんですよね。
バリーのキャラがほぼカート
ジェームズ・コーデンがハマリ役なゲイのバリー。このキャラがもうほとんど『glee / グリー』に登場するゲイのカートにしか見えん。
プロムの衣装選びに大はしゃぎしたり、やたら面倒見のいい友達キャラなのがダブりすぎてる。
現実世界はゲイにも色んな人がいるはずなんだけど、もしかするとステレオタイプなイメージがこんな感じなのかなと思ったり。
ショッピングモールのシーンが酷似
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
そもそもアメリカのショッピングモールってどこも似たようなものなので若干こじつけっぽいけど、ショッピングモールで歌って踊るのはやっぱりどうやっても『glee / グリー』を思い出しちゃう。
アーティのセイフティーダンスめっちゃ好きだったよ。
けっきょく誰も悪者がいない
『glee / グリー』との共通点で大事なのがこの辺りなのかなと。
というかむしろこういう設定はライアン・マーフィーのお家芸なのかも。
イジメっ子だったチアリーダーが改心して良い子になったり、悪者の親玉であるPTAが娘のためを思って結局プロムに参加したり。
最終的に突き詰めると誰も悪い人がいないんですよね。
世界は変えられるという甘い現実
まあ映画も海外ドラマも現実ではないので夢を見せてくれてるって言えばその通りなんですが、ライアン・マーフィーの作品は大体「世界は変えられる」という甘めな世界観になってるんですよね。
これは『glee / グリー』に限らず、ライアン・マーフィーが他にも担当したNetflixドラマ『ハリウッド』や同じくネトフリドラマ『ザ・ポリティシャン』でもそうです。
『ハリウッド』では新人の俳優がいとも簡単に(ではないんだけど)アカデミー賞を受賞し、『ザ・ポリティシャン』では高校の生徒会長になろうとしてた主人公が結局、知事になったり…。
良くも悪くも夢がありすぎるのがライアン・マーフィー作品。
改心するチアリーダー
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
現実ではありえなさそうなスクールカーストトップのチアリーダーが改心して良い人になるのも『glee / グリー』と一緒。
なんならチアリーダーが金髪とヒスパニックという取り合わせも『glee / グリー』と一緒だし。
アリッサ役がリア・ミシェルに似てない?
出典:ザ・プロム | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
もはやこじつけだけどエマの彼女アリッサ役がなんとなく『glee / グリー』のリア・ミシェルに似てる…。
人種は違うんだけど、アリアナ・デボースちゃんはアフリカ系なんだけどイタリア系の血も引いてるみたいなのでなんとなく雰囲気似てるんよね。
リア・ミシェルはスペイン系やイタリア系などの血を引いてるので、似た雰囲気を持ってるのも納得というか。あと服装も。
以上、ちょっとこじつけっぽい部分もありましたが、『glee / グリー』ファンにはグリーっぽさを拭いきれない映画だったことは間違いないでしょう。
というかライアン・マーフィーの作品はどれも "焼き増し"
言い方悪いんだけど、大体ライアン・マーフィーの作品ってどれも "焼き増し" な感じなんですよね。
『glee / グリー』しかり、上述の『ハリウッド』や『ザ・ポリティシャン』、どれも似たところが多くて焼き増し感めっちゃあるんですよね。
『カッコーの巣の上で』の前日譚であるハズの『ラチェッド』だって、『アメリカン・ホラー・ストーリー』の焼き増しですし。
ネタバレ感想【ラチェッド】シーズン2決定済み!ラストは映画版のオチとは別モノになる
とはいえ焼き増し=悪いことって訳じゃない。
ファンは "焼き増し" を求めてる
ライアン・マーフィーってそもそも固定ファンが多いんですよ。
んでもって固定ファンって "焼き増し" つまりマンネリを求めてるんですよね。
「ライアン・マーフィーのgleeが好きだから、gleeみたいな作品がもっと見たい!」
「gleeのライアン・マーフィーだから、きっとgleeみたいな作品のハズ!」
コレがファンの心理です。余談だけどインフルエンサービジネスとかこういう人がめちゃ多いんですよね。「俺が言いそうなことを言ったらファンは喜ぶ」そうです。
なのでこの作品『ザ・プロム』は多分ライアン・マーフィーのファンにこそウケてるんじゃないかと思いますね。だってロッテンの評価も評論家の評価は低いけど観客の評価は高いし。
もしかするとライアン・マーフィーがメガホンを取った理由も「いかにもライアン・マーフィーっぽい設定」な舞台劇が原作だったからなのかもしれません。
最後に
以上、Netflixオリジナルの『ザ・プロム』の感想になります。
本作はクドいぐらいライアン・マーフィー作品な映画でした。良い意味でね。
一部劇場では今現在も映画館で上映しているので、お好きな方は映画館で観るのもイイかもですね。
個人的には「映画館で観たい」ってこだわりがない人間なので、というか家大好き人間なので家で観れるなら家で観たいってパターンが多いので映画館行かないけど。
【まとめ】Netflixオリジナル映画の感想評価60本
【まとめ】Netflixオリジナルドラマの感想評価40本
まだFire TV StickなしでNetflix観てるの?それって損してない?