(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
どうもでょおです。先日、DC映画最新作『アクアマン』のネタバレなし感想を書いたので今回はネタバレありの感想を書きたいと思います。
約2時間半と長丁場の映画なだけあり、語るべきことがありすぎて先日の記事で書くのを忘れてたこともいっぱいありましたよ。
そんな映画『アクアマン』の評価ですがおおむね満足です。というかDCエクステンデッドユニバースで一番良い作品だと思います。
『アクアマン』について語りたいところがいっぱいあるので是非とも最後までお付き合いください。
この記事は映画『アクアマン』のネタバレを含みます
映画『アクアマン』のあらすじ
人間として育てられた、海底国アトランティスの末裔。
シャチやサメをはじめ、海の生物すべてを味方につけ、意のままに操り戦う男 彼の名は、アクアマン。
故郷アトランティスが、人類を滅ぼさんと地上侵略を始めたとき、彼が守るのは、人類か、それとも海底か。(C)2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
公式サイトに載せられている『アクアマン』のあらすじはこんな感じに、超サラッとすまされていますが実際はこんなにコンパクトな話じゃない。
弟オームが地上に警告と称して壊滅的打撃を与えたため、アーサー(アクアマン)はアトランティスと地上の戦争を止めることにします。
アトランティスにてオームと決闘するものの敗北。アトランティスの王しか認められない伝説のトライデントを手に入れるために7つの海を股にかけ美女のメラと冒険。行く手を阻む敵を倒し、隠された秘密の王国で母と再会し、伝説のトライデントを手に入れオームと再び戦います。
アーサーの話だけにしぼってもこれぐらいてんこ盛りの内容でした。
映画『アクアマン』のキャスト・登場人物
- ジェイソン・モモア/アーサー・カリー (アクアマン)
- アンバー・ハード/メラ
- パトリック・ウィルソン/オーム・マリウス (オーシャンマスター)
- ウィレム・デフォー/バルコ
- ニコール・キッドマン/アトランナ
- ドルフ・ラングレン/ネレウス
- ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世/デビッド・ケイン (ブラックマンタ)
アクアマンは映画『ジャスティス・リーグ』ではブルース・ウェインを困らせるほどの破天荒ヒーローでしたが、さすがに今回はちょっとおとなしめでしたね。破天荒っぷりや荒々しさは控えめになり、ヒーローとしての素質が伺える映画でした。
演じるのはジェイソン・モモア。ハワイの民族らしいワイルドな風貌がハマり役です。初めて見た時は全身タトゥーでザック・スナイダーが好きなDQNって感じでしたが、あのタトゥーは民族の伝統だということが本作で明かされました。個人的にはジェームズ・ワン監督がザックの尻拭いをしたと思ってます。
そしてそんなアクアマンのサイドキックでもある相手には美女のメラ。アトランティス人のため地上での生活には慣れておらず世間知らずな一面も。イタリアでのアーサーとのロマンスのシーンはめっちゃよかったですよね。バラ食ってるメラに何も言わず自分も食っちゃうアーサーの懐の広さに惚れますた。
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美女とはいえただのお飾りではなく、相棒としての役割をしっかりと果たしてくれた所が個人的には一番評価したいところ。
そして宿敵ブラックマンタ。ネタバレなしの記事でも書きましたがめっちゃかっこいいです。デカヘルメット、デカ目のダサさをカバーするどころか、デカヘルメットがかっこいいとすら錯覚してしまうほどかっこいいキャラクターでした。DC映画においてここまで強烈な印象を残した悪役はいないでしょう。
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まだまだ新人のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世に今後も期待したいですね。
そしてやはり外せないのはニコール・キッドマン演じるアトランナ女王。唯一愛した男との間に子供を授かったせいで処刑されることになります。それをわかっていながらも夫と息子を救うためにアトランティスに戻る力強さはこの映画で一番なんじゃねーかと思います。
また政略結婚の末、望まない相手との間にもうけたオームにも変わらず愛を注げる母親の強さがハンパないです。個人的にニコール・キッドマンはこの映画で一番仕事してたと思います。
ウィレム・デフォーのバルコはぶっちゃけ微妙。ウィレム・デフォーには普通の人とか良い人があんまり合わない。もっとクセのあるキャラにキャスティングしてほしかった。ネレウス役のドルフ・ラングレンは赤毛でかなり新鮮でした。ついこないだクリードを見てたから余計思う。
悪役のオーム役パトリック・ウィルソンも微妙。ブラックマンタの強烈な印象に完全に喰われてしまいました。でもヘルメットとマスクが分割式になってて、最後は原作コミックのオーシャンマスターみたいになるのはテンション上がりました。
その他に各キャラクターの詳細は下記記事でも紹介しているので気になる方は下記でどうぞ。
【アクアマン】メインキャスト一覧|キャラクター・ヴィランまとめ
映画『アクアマン』の感想
面白いというより楽しかった
そうなんです。アメコミやスーパーヒーローものの映画が面白いのって「憧れ」があるからだと思うんですよね。
「自分も金持ちで両親が路地裏で殺されたら」とか「放射線を浴びたクモどこかにいないかな」とか、憧れてしまうかっこよさがあるんですよね。
だからバットマンとかアイアンマンは特に人気。お金さえあれば憧れが実現できそうな気がするからね。
それに対してアクアマンには何故か憧れとかかっこよさみたいなのが感じられなかったです。「自分もバットマンになりたい」と思うことがあっても「自分もアクアマンになりたい」とはどうも思えない感じ。
スーパーヒーロー映画に多い、かっこ良く魅せる演出みたいなのがなくて、単純に楽しめるようになっていたと思います。スーパーヒーローとしての苦悩や葛藤も最低限に済ましているのでスラスラっと見れる印象です。
中身はあるんだけど、それを重々しく感じさせないのでエンタメ映画として優れています。
私は個人的に『ワンダーウーマン』があまり好きじゃなかったんですよね。個人的には『アクアマン』がDC映画で一番楽しかったです。
ジェームズ・ワン監督の手腕
ホラー映画の監督として名高いジェームズ・ワン監督がアクション大作を取るのは今回が2回目。1回目は『ワイルド・スピード SKY MISSION』です。私はワイルドスピードのサブブログを運営しているので人一倍ワイルドスピードシリーズを見ています。
ワイルドスピードシリーズの中でジェームズ・ワン監督の『ワイルド・スピード SKY MISSION』の一番の特徴って多分、カメラワークなんです。酔ってしまいそうなぐらい変にグルングルンしてて、変わったアングルから撮るんですよね。
ワイルドスピードでブライアンが崖から落ちそうになって、ジャンプして車に掴まるシーンとかか、ああいった雰囲気がさらにパワーアップして映画『アクアマン』にも最大限生かされていました。
また、これまでのDCエクステンデッドユニバースとの繋がりが薄くなったのは事実ですが、CGを多用した戦闘や妙にかっこいいシーンがあるのはザックが構築したのDCユニバースの印象をうまく引き継いでいると思います。ロケーションでもCGを駆使して世界観を隅々まで作り上げています。
逆に言うとこのザックっぽいDCEUらしい雰囲気のおかげで、アクションシーンは作り物感プンプンで人によってはめっちゃ萎えると思いますね。
色んな映画を超ごった混ぜ
そんでもって本当に色んな映画をごっちゃ混ぜにしたなと思います。
兄弟が覇権争いをして王国を追い出されるのはまさに『マイティ・ソー』のようですし、アトランティス都市部に移動するための橋は、虹の橋ビフレストを連想させられます。
未開の地なのに技術が著しく発展している海底王国アトランティスはワカンダっぽいです。海底王国もワカンダのように複数の国があり、種族が分かれて対立しています。
スターウォーズのように異種が共存して暮らしていて、乗り物系メカが登場するところもかなり似てる印象。
サハラ砂漠での話はどう見てもアドベンチャー映画ですし、船上でトレンチに襲われるシーンは明らかにジェームズ・ワンお得意のホラー映画です。
そしてトライデントの隠された秘密の王国は、恐竜(?)が暮らしていて『センター・オブ・ジ・アース』の世界。
トライデントを取りにいったアーサーに「トライデントを引き抜けたものはいない」って言った時はもう笑っちゃいました。そこにアーサー王伝説使うかと。
ほんでこのトライデントを守る主がどう見ても『パシフィック・リム』なKAIJU。
もう「パクりと言われようが、何だろうがとにかく面白い映画作ってやる」とジェームズ・ワンの決意すら感じられました。
マーベルシネマティックユニバースを意識している
そんなジェームズ・ワンが『アクアマン』を作る上でめっちゃマーベルシネマティックユニバースを意識しているなと感じました。
先ほど言ったストーリー展開もそうなんですが、ブラックマンタの憎悪はブラックパンサーのキルモンガーっぽさを感じます。奇しくも彼も父親の復讐が目的でしたし。
エンドクレジット映像の作り方もかなりMCUです。これDCのキャラって知らなかったら、何でニックフューリー出てこないのと思われてもおかしくないくらいMCUっぽい。
MCU『ブラックパンサー』のエンディングでケンドリックラマーとSZAの「All The Stars」が使われたのはかなり印象的でしたが『アクアマン』ではそれを彷彿とさせるスカイラー・グレイの「Everything I Need」が使用されました。
ちなみにジェームズ・ワン監督は『ワイルド・スピード SKY MISSION』でもスカイラー・グレイの「I will return」を使用してるので多分ファンなんだろうな。(私も好きなんだけど)
それから使用されるサントラに80年代テクノポップ調のものがあるのも特徴的。『ストレンジャー・シングス』っぽい音楽で結構好きでしたが、映画的には結構ミスマッチじゃね?って感じでこれも『マイティ・ソー バトルロイヤル』を意識してんじゃないのかと思ってます。
「マーベルシネマティックユニバースがDC映画作ってみた」
って感じです。
最後に
恥を捨てて色んな映画の要素をブチ込みまくり、超ド級のエンターテイメント映画に生まれ変わった『アクアマン』。今後もこの方向性で行くのであれば、DCエクステンデッドユニバースは大成功するでしょうね。マーベルシネマティックユニバースのバッタもんっぽさは拭えませんが。
個人的に『アクアマン』にそこまで深いものを求めていなかったので、十分満足して楽しむことができました。
すでに続編の企画が進行しているとのことで、続編製作は確約されたようなものでしょう。
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